情報発信基地、始動しました。④

 生活者の生活態度は、コロナ禍が終息しても単純に元に戻ることはないであろう。多くの人々のネット利用率は、自粛という外的要因が幸いして一挙に高まったし、買物のほとんどを近隣で済ませることを覚え近距離流通業のウエイトが拡大している。外食業などの戦略如何によっては、新しい業態が生まれ近距離流通業同士の激しい競争の場になるであろう。

▼このような環境の中で、情報発信基地を始動させる目的は、コーネル大学RMPジャパンの存在意義を再確認することにあるのだが、具体的には、① 変化の激しい時代に結果を出すため、創造と変革のための能力を身につけて貰うこと。② 最新知を得られ、受講者同士が未来を語り合える場を提供すること。③ 自己実現や社会貢献のために、「自分らしさ」を発見し、「志」を醸成してもらうことにある。そして、プログラムの存在価値を高めるために新し受講手法を探ることにもある。

▼プログラムでは、経営の実践に応用するには、どうしたら良いかを追求することが大事になると考えられる。つまり、コーネル大学RMPジャパンは、意思決定・企業分析力向上のためのプログラムとしていきたい。同じSM業態の企業でも、会社によって経営方針、企業文化、社員の個性(持つ雰囲気)、企業発展の歴史など取巻く環境は異なるし、組織形態も異なるものだ。また、同じ企業であっても状況の変化によって、とるべき戦略も違ってくる。1970年代に流行った考え方に「コンティンジェンシー理論(組織構造というものはどのような環境に置かれようと最適となるような形式が存在しないため、周囲の変化に応じて絶えず変化をさせつつ経営する必要があるという理論)」というのがある。「過去の延長に未来はない」といえるのだ。

▼経営には、ひとつの成功法則がすべてに通用することはない。大事なのは、環境の変化に合わせてやり方を変えるという事で、それを理解するために常に具体と抽象を行き来して考える必要があるということになる。現場と理論をすり合わせて行くことが大事になる。

(2021・10・22)