
学校法人中内学園 理事長
次に『育てる』です。
上述のように 今の学生の大半は 将来の夢や目的を持たず 大学に来ている状態です。そこでの大学の授業は 卒業単位を取るためだけのもの また就職に有利になるためのものでしかないように感じられます。大学自体が 就職予備校のような感さえあります。また 高校時代の延長線上の考えで 物事には正解があって それに至るプロセスを考えずに 回答・正解を求める傾向にあります。流通科学大学は その設立当時から ビジネスパ-ソンを育てることを目的としています。ビジネスの世界には 正解というものはありません。問題解決や成長に関して、ビジネス界での成功への近道・ハッキリとした道筋はないのです。重要なのは そこに至るまでのプロセス 説得力や納得性 そして 仲間・チ-ムワ-クだと考えます。
そこで 流通科学大学では 今までの一方的に「教え込む」「覚えさせる」といった「知識教授型」授業ではなく 「考える 学習型」授業に 全ての授業を変革していきました。ビジネスの社会で重要なのは 「理論」ではなく「論理性」です。それ故 「知識重点型」から「知識を知恵に変換できる」人材の育成に焦点をあて 創設時より 訴求し実施してきた「実学」 アクティブラ-ニングを重視した授業内容に 大変革をしていきました。現在 その最先端を行くのが スマホを使った双方向コミュニケ-ション授業です。教員と学生がスマホを用いて 双方向で意見をやり取りする。その内容が 教室のモニタ-に映し出され また それに対して 議論する といった授業です。この他にも 他大学では考えられない授業体系・内容を実施しております。 そして このような教育改革のもと 一般に言われる学年の定期試験も 全て持ち込み可・試験によっては スマホでの検索も可能にしました。
また 単に一般に言われる授業のみならず ビジネスパ-ソンとしての人間力も育てます。流通科学大学の校是でもある『ネアカ・のびのび・へこたれず』が実践できる人物になれるように様々なアクティブラ-ニングを準備しています。そのキ-となるのが クラブ・サ-クルです。そこでの活動を通じ、ビジネスパ-ソンとして恥ずかしくない躾・ル-ルマナ-順守・礼儀や言葉使い等を身につけ どこに出ても物怖じすることなく、 誰とでもしっかり言葉を交わすことができ、逆境でもたくましく生きていける人材を育てます。また ビジネスは一人で行えるものでもありません。仲間・チ-ムで行うものです。そのため 流科大の学生表彰は 学力だけでなく クラブ・サ-クル あるいはボランティア活動等に参加していることが 最低条件となっています。それ故 流科大のクラブ・サ-クル加入率は 全学生の過半数 51%となっています。
最後に 『咲かせる』です。
今現在の大学は、キャリア教育=就職活動支援の形で内定率アップを目的とした行動が採られ、就職が大学の最終点であるというのが実情です。このままでは、大学はそれこそ就職予備校になってしまいます。最高学府と言われる大学。学業を終えて、最終目的が、如何に世間的に言われている いい会社に入るかが「大きく咲かせる」ことだと勘違いされています。大学は 将来に 花咲かせるための1ステップでしかないのです。40歳・50歳、いやそれ以上の歳になった時、如何に人生を咲かせているかが重要なのです。それは、単に仕事の上だけでなく、生活、人生そのものを咲かせる。故に 流通科学大学では「就職率の追求」という発想を捨て 学生が 将来の進路をしっかり持って卒業していくかということに重点を置くことにしました。流通科学大学で培った「知識を知恵に変える力」「Human Network」そして「ネアカのびのび へこたれず」の精神で、人生を咲かせていく。その実現のため、大学は、入学時から人格形成・職業観醸成のための「キャリア教育」を実施することにしました。本来、『人格形成』『職業観醸成』と『就職活動』とは異なるべきです。そこで、考え方を抜本的に見直し、『キャリア教育』=『人格形成・職業観醸成』で、就職活動とは異なるものだと定義し、入学時から人格形成・職業観醸成のための『キャリア教育』を実施することにしました。社会人(ビジネスパ-ソン)として、また一人の人間として、将来花を咲かせるため、1年生から「なりたい自分発見カリキュラム」として、社会に貢献する・働く意義・仲間の重要性などを学びます。
また 今までは、就職活動支援は就職部といった、大学の一部署の活動にしか過ぎませんでしたが、これも考え方を抜本的に見直しすることに致しました。キ-は、普段 学生に一番接触しているゼミ・クラブ活動の教員が、その担当生徒を指導・支援していくという形です。普段から、学生に接しているゼミの担当教員、またクラブの監督・コ-チこそが、一番個々の学生のことを知っていて、また学生も一番相談しやすい相手だと思います。それ故、今後は、企業との繋がりを作り、その関係を強化していくのは就職部、そしてその情報から、適していると思われる学生に相談・指導・支援していくのが教員とします。同時に、就職活動・社会人としての先輩、特にゼミやクラブでの繋がりのある先輩からのアドバイスも頂き、就職活動を支援していきます。
このようにして 今現在の流通科学大学は 他の大学にはない独自性を打ち出し 定員3600名に対し 3900人を超える学生を抱える大学に復活しました。今後は この「夢の種プロジェクト」の更なる進化とともに 様々なことにチャレンジしていきたいと思っております。現状維持は退化だ!という考えのもとに!!