セブン&アイは、主軸である国内外のコンビニ事業を成長戦略の柱とし、イトーヨーカ堂やヨークベニマル、ヨーク、アリオなどで深化戦略とし、グループでの食品戦略と大型商業拠点戦略で攻めることを明確にしたのでしょう。このことが、第2四半期決算に結びついたものと思われます。決算説明会の中でも「リアル店舗で、国内では1日当たり2240万人、北米では650万人の接点があります。この接点をDXと金融戦略で進めていくことで、さらに広め、深めて行きます。顧客生涯価値を上げ、企業としての持続的成長と持続可能社会の両立を目指して、中期経営計画の達成を目指していきたい」と述べていました。特にコンビニ事業は、グローバル戦略と結びついておりますので、海外投資の経験が問われることになりそうです。
▼グローバル戦略のメリットは、国によるリスクをヘッジできる点にあります。しかし、パンデミックを引き起こした新型コロナ感染症は、グローバル企業にも等しく大きな影響を与え、2020年の業績を悪化させました。しかし2021年に入ると、ワクチン接種が米国や欧州、中国で加速しました。結果、行動制限を解き、経済活動を復活させた国々では、商況も改善したのです。そこで、業界は異なりますが、グローバル戦略を推進する「ファーストリテイリング」と「良品計画」の決算も見ておきたいと思います。
▼先ず、ファーストリテイリングは8月が決算月になり、イオン、セブン&アイとは異なりますが、営業収益が2兆1329億万円(前期比6.2%増)で1241億円の増収でした。コロナ感染での打撃を受けた前期に比べて、海外ユニクロ事業で862億円、国内ユニクロ事業で357億円の増収で大きく回復させたのです。営業利益は2490億円(同66.7%増)とこれも大幅に伸びたのです。ファーストリテイリングの事業は、荒利益5割超、経費4割未満なのですが、それも、改善し、営業利益率は、11.7%、当期利益も1698億円(同88.0%増)でした。
▼主力事業のユニクロは、国内の売上収益が8426億円(同4.4%増)、営業利益は1232億円(同17.7%増)と二桁の増益であり、既存店売上高は3.6%増の成績。ECの通期売上高は1269億円(同17.9%増)と伸長し、売上構成比は15.1%に拡大していました。海外事業は、9301億円(前期比10.2%増)、営業利益が1112億円(同121.4%増)と2倍以上となっているのです。
(2021・11・28)