2021年を振り返る・・・⑨

SM(スーパーマーケット)業界の動きですが、11月の実績を見ますと、10月までとは少し異なる傾向が見られます。個別企業の既存店前年比は下記の通りです。現時点で、数値を入手できる企業が限定され、しかも速報レベルですので、傾向を掴む程度に見て下さい。

▼ライフコーポレーション 0.4%減、平和堂 0.7%増、オークワ 0.4%増、アクシアルリテーリング 2.8%減、ヤオコー 0.5%減、ヤマザワ 5.8%減、ダイイチ 1.8%減。百貨店では、大丸松坂屋 16.1%増、三越伊勢丹 14.8%増、高島屋 9.2%増、松屋 11.9%増、 阪急阪神 11.5%増。ドラッグストアでは、ツルハホールディングス 2.7%減、カワチ薬品 1.5%減、サツドラホールディングス 4.9%減、薬王堂 0.5%減といった状況です。

▼SMは、コロナ禍の恩恵を受けた前期との比較で悪化は仕方ないのでしょうが、コロナ前の状況よりは好調を維持しているように見えます。21年を振り返って来ましたので、SM業界内の具体的な動きを見たいと思います。先ずは、ライフコーポレーションです。第2四半期決算の決算説明資料で確認すると「アフターコロナへの対応」と題し、外部環境の変化に対する自社の対応•取組みが記されていました。外部環境の変化は、「テレワーク定着化による内食需要拡大」「宅配サービスの充実•需要拡大」「他業種の食品進出」をはじめ、「コロナ後の雇用回復にともなう採用難」といった雇用に関することまで触れ、それへの自社の対応•取組みとしては、「DX推進」「ネットスーパーの拡充」「キャッシュレス推進」などを提示しています。そして、「コロナ前から取り組んできたことがアフターコロナにも有効、既に変化へ対応しており、さらに推進させることでお客様の支持を得る」と説明しています。コロナ自体が特別な異常事態ではなく、将来起こり得ることがコロナ禍をきっかけに前倒して発生し、それに対応できているか否かが問われているというのが、ライフコーポレーションの見解といえます。これら施策の具体的内容は決算説明書に記載されております。

▼常に外部環境の変化にアンテナを張りながらニーズを捉え、機敏に対応するのが重要で、それが勝ち残りへの必要条件であるのは間違いありません。

(2021・12・12)