第2四半期(中間期)の決算結果が公表されています。総合スーパーはコロナ禍2年目を迎えても厳しい決算内容でした。イオンリテールは営業収益前年同期比で8.0%減、営業損失は185億円、経常損失は205億円。イトーヨーカ堂は、営業収益は0.1%減、営業利益は64.0%減、営業利益率0.2%というものです。修了生企業のひとつ平和堂はSM(スーパーマーケット)業態のフレンドマートが貢献、営業収益1.7%増、営業利益21.4%増、経常利益19.2%増と、コロナ禍を乗り切りつつあるようです。
▼一方、SM業界は、コロナ特需が消えつつあります。上場企業で、この上半期で増収増益を果たしたのはヤオコーとハローズだけのようです。ヤオコーは営業収益4.2%増、営業利益9.0%増、経常利益8.0%増で、営業利益率は6.4%、経常利益率は6.3%という実績でした。ハローズは営業収益5.5%増、営業利益3.8%増、経常利益4.1%増と健闘しております。中間期ではなく通期決算(9月決算)になりますが、マミーマートも、営業収益8.9%増、営業利益25.4%増、経常利益24.1%増で、期間こそ違いますが良い業績でした。
▼増収減益はライフコーポレーション、アークス、そしてベルクです。それ以外の企業は減収減益で、2020本決算時の増収増益企業がほとんどであった「特需」は、なくなりつつあるようです。ヤオコーは、自粛生活の長期化に伴う「家事疲れ」の影響でしょうか、「惣菜」が好調だったようです。5月に府中フォーリス店(東京都府中市)を開店しましたが、ここは百貨店立地です。また、ディスカウントスーパーマーケットの「フーコット」1号店を8月に埼玉県飯能市に開店しております。新しい立地、業態への挑戦とみられます。
▼第2四半期決算を総合して特集を組む業界誌は少なく、その上、(株)商業界が破産した影響もあり、小売各社のホームページを見てデータを収集しております。結果、業界全体の内容を的確に表現することが難しく、身近な話題になってしまいました。「リベンジ消費」がSM業界に及ぼす影響、そして、その後に表れる本来の消費環境に戻った時の準備が必要だと思いピックアップしてみました。
(2021・12・13)