『第2回 小売業DX とシステム内製化』 當仲寛哲先生

有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所 代表取締役

小売業のデジタルトランスフォーメーション(DX)で思いつくのは、自動発注、自動値下振替指示などの省力化、デジタルポイントと販促を個人に展開したBtoCマーケティング、ネットスーパー、宅配などのBtoCサービス、無人店舗、他業界とのコラボ、進出などの次世代サービスなどが挙げられると思います。日本の小売業は欧米で流行っているのものを取り入れてきた歴史がありますが、やはり競争の激化による本格的なコストダウンやよりきめ細やかなアイデアをサービスに繋げていくことを考えると、システムを外注任せというわけにはいかなくなってきます。いきなり内製化とまでいかないまでも、どんなシステムをどのように作り、どう連携させ、その結果、どのようなメリットに繋げていくかを自分たちで主導していくことは最低限のスキルとして必要となります。そういう意味でコンピュータリテラシは小売業の常識となってきています。

システムを作るには、小売業や自社や世の中をよく知っていること、コンピュータリテラシを持っていることの2つは必須です。これは人のスキルの問題ですから、会社としては、この2つの面で人材育成を本気で取り組まなければ次の時代はないことを知るべきです。できる人が採用できるまで待っている、ではダメな時代になっています。

コンピュータリテラシの身につけ方ですが、どのようなデジタル製品やアプリケーションがあるかなどのデジタルマーケットの知識の獲得が一つです。これはネットやテレビのコマーシャルを月1回くらい集中してみて、知識獲得のための行動をルーチンにしているのが良いです。セミナーや展示会に行くのも手です。もう一つは、ソフトウエアの開発の最先端の知識です。今だとローコード開発と言われる「短いプログラムでやりたいことを実現する」コンピュータ言語に具体的に少し触れてみることです。私が講義で紹介した「ユニケージ法」も着目すべき手法の一つです。

コンピュータリテラシを身につけた人材育成ですが、「ローコード開発」手法を使った分析システムの内製化が、実があってリスクの少ないやり方です。小売業の場合、売上の分析、ロスの分析、在庫の分析、顧客の分析が4大分析です。いずれもその元となるデータは現状の基幹システムに収められているはずです。これらのデータをLinux(リナックス)マシンに取り込み、ユニケージ法などの「ローコード開発」手法で行うことが、システムコストダウンやスピード経営、人財育成の3徳を一挙に行えることでメリットがあります。