ラストマイルはロボットか、人がアナログで運ぶのかの競争

コロナ禍が起きて2年近くになるが、小売業の全域でDX(Digital Transformation)投資が加速している。物流センターの自動化、店舗や隣接する用地に設置した施設をマイクロフルフィルメントセンターとして活用するためのシステム開発、配送の自動化、短時間配送の実現、店舗のレジレス化、接客までもバーチャル展開できる支援ツール開発などのニュースが洪水のように発信され続いている。

▼大島 誠先生(Panasonic)のウェビナーの中でも話されていたのが、「オンデマンド型短時間配送」事業で、このビジネスモデルが新型コロナウィルスのパンデミック以来、急速に拡大、進化しているとのことだ。店舗営業に制限がかかり、食品の宅配需要が急速に拡大したことが拍車をかけたのだろう。米国で短時間配送をする企業がカバーできてない地域は相当の田舎ということになるらしい。

▼もはや、短時間配送を展開する企業が、小売業や外食の周辺事業として存在するのではなく、むしろ、これらサービス企業の中に小売業や外食が取り込まれているような様相になっていると言っても過言ではない。ギグワーカーが運ぶラストマイルをロボットに置き換える試験も進行している。それは、「ドローン」、「無人宅配車」でウォルマートやウォルグリーンといった大手小売業と開発会社が連携して実験が進んでいる。そして「遠隔操作による無人宅配車」、「デジタル武装した移動スーパーマーケット」になる。

▼一定数のアイテムを、ミニバンを改造した車に積んで運ぶもので、ビバリーヒルズに隣接するウエストハリウッド地区では2種類のロボマートが稼働している。開発したのはサンタモニカに本社のあるロボマート。あらかじめ専用アプリをダウンロードし、支払い情報などを登録しておく。利用は、起動画面から地区を選択し届け先の場所を入力、ロボマートの種類の手配から始める。現在、チョコレートやポテトチップの菓子類に炭酸飲料を在庫にもつ「スナックマート(Snacks Market)」と鎮痛剤などの市販薬にシャンプーやハンドサニタイザー、サニタリーなどの「ファーマシーマート(Pharmacy Market)」の二つの種類がある。ロボマートが到着すると利用者は、アプリ操作でドアを開け、必要な商品をピックするだけ。ロボマートの側面にはコンビニエンスストアで陳列されているように商品ラックが並び、温度管理もされている。1台当たりの商品数は50アイテムで最大500個まで在庫を持つことができる。今後、果物や野菜を搭載したグローサリー・マート、加工食品などを載せたパントリーマート、惣菜を中心にしたデリマート、コーヒーやラテ等のカフェマートなどを展開予定とのことだ。到着するまでの予定時間を確認してボタンを押せば、ロボマートが10分以内でやってくる。買い物が完了すれば、アプリを介してロボマートのドアを閉めるように操作する。ロボマート手数料は1回の買い物当たり2ドルとなる。

ニューヨーク市では電動アシスト自転車を使って食品を15分以内に配達する「フリッジ・ノー・モア(Fridge No More)」やドイツ資本で食品や日用品を10分で配達する「ゴリラス(Gorillas)」が超短時間宅配で競争している。

(2022・01・04)