二つの正月駅伝にみる組織づくりのヒント

初売りが1日から2日にかけ順次始まった。大手百貨店では客足が前年から大きく回復したであろうか、風物詩である店頭での福袋販売も本格的に復活し、来店客の行列も目立った。高島屋日本橋店も2日、開店前に前年比約4倍程の人々が列を作っていた。「大勢の人が押し寄せ、自粛生活が遠い昔のよう」と驚く声も聞こえた。SM(スーパーマーケット)業界は三が日を休業する企業が増えている。

▼ニューイヤー駅伝(第66回全日本実業団対抗駅伝競走大会)、と箱根駅伝(第98回東京箱根間往復大学駅伝競走)も、正月の風物詩のひとつである。今年も感動的なレースで堪能できた。ニューイヤー駅伝は、ホンダが、創部から約半世紀でついに頂点に立った。しかも、25歳以下の7人で悲願を成就した。この駅伝には、SM業界からも(株)サンベルクス(東京都足立区 鈴木秀夫社長)と(株)コモディイイダ(東京都北区 飯田武男社長)の2社が出場している。

▼青山学院大学が2015年以降、6度目の総合優勝を10時間43分42秒の大会新記録で飾った。このテレビ中継番組の世帯平均視聴率は、復路28.4%、往路26.2%であった。毎年、3軒に1軒が視聴するという人気のある競技である。

原監督のコメントは、「6度目の総合優勝は組織として成熟を意味する。自らを律するチームになれた」という内容のものであった。昨年は、主将の離脱でチームが崩れてしまった。その反省を踏まえて、今季は誰かに頼らない骨太なチームを目指してきたのだ。選手のひとりは「毎日試合みたいな感覚で高い意識を持ってやってきた」と話していた。昨年の春からインターバル走のタイムを速めに設定、「究極の練習」というタイムトライアルを積極的に実施してきた。原監督も発起人となって大学陸上に新しい大会「MARCH対抗戦2021」を誕生させた。「陸上の大会が地味だなぁというふうに感じていた。トラック競技もショータイムをすることにより、『魅力あるんだよ、こんないい大会があるんだ』と伝えたい」とテレビニュース(2021・11・24)のなかで話していた。選手も自前で記録会もつくり、個人の裁量が大きい各自のジョグも妥協なく走力を養ってきたのだ。

▼加えて、厚底シューズ全盛の近年、これまでと違う部位が故障しやすいことを察知し、尻周りの筋肉を鍛えるトレーニングを追加したという。勝つには、勝つだけのストーリーがあり、努力があるのだ。特に25歳以下の若手7人で優勝を勝ち取ったホンダ。そして、自らが自らを律するチームを追求した青山学院大学の姿は、SMの組織づくりにも目的や手法こそ違え、そのまま活かせそうである。

(2022・01・05)