
多機能オーブン「ジューン」
『日経トレンディ 2022-2030大予測』誌に掲載のあった「必修キーワード40」にフードテック関連のワードがあるが、その中に「キッチンOS」「リモート調理」、「全自動キッチン家電」があった。コロナ禍による内食需要の高まりに伴い、米国のスタートアップ企業が開発した調理家電のいくつかを紹介しよう。これもフードテックの動きだ。
▼Whole Foods Marketのプライベートブランド「365 Everyday Value」を食材とし、ワンタッチで本格的な料理に仕上げる調理プログラムを実装した多機能オーブン「ジューン」が話題であった。このオーブンは、コンベクションオーブンや、ノンオイルフライヤー、スロークッカー、トースターなどの機能を搭載し、専用モバイルアプリで操作するものだ。

「Tovala」
▼スマートオーブンとミールキットの定期宅配サービスを融合させた消費者向け直販型のサービス「Tovala」も話題だ。昨年2月までの18カ月間に売上が10倍に増えている。このスマートオーブンは、煮る、蒸す、焼くなどの5種類の調理機能を備え、シェフ監修の専用ミールキットを調理するのに最適化されている。オーブンにミールキットの材料を入れ、同封されているQRコードをスキャンすると、オーブンにレシピデータがダウンロードされ20分以内で自動調理される。メニューは週替わりで、肉や魚料理、パスタなどのほか、食の最新トレンドに合わせた商品開発にも注力している。勿論、オーブン以外のスマート調理家電も続々と登場している。スタートアップ企業シェフ・アイキューは、専用モバイルアプリで操作できる多機能な「Smart Cooker」を発売した。アプリには毎週、新しいレシピが5本追加され、それに沿って簡単な下ごしらえをした後、アプリで調理時間などを設定すると、圧力調理により短時間でおいしく料理が仕上がる仕組みだ。

調理ロボット「Suvie」
▼このほか、専用容器に材料を入れてタイマーをセットするだけで自動調理する、カウンター設置型の調理ロボット「Suvie」や卓上電磁調理器と専用ボウルで構成され、パスタ、ラーメン、米飯、卵料理など、1人分の料理が短時間で出来上がる「BonBowl」なども、調理の時間や手間を軽減する調理家電として人気を集めている。最先端技術を活用し、健康的で豊かな内食中心の食生活をサポートするソリューション開発は今後もいっそう進んでいきそうだ。
(2022・01・12)