コロナ禍で急激にデジタルテクノロジーが生活に浸透して来た。デジタルテクノロジーを駆使した製品やサービスの普及が身近な存在になって来たのだ。さまざまな分野でデジタルテクノロジーを使って変革していく動きは、業界や産業分野と掛け合わせて、「○○テック」と呼ばれており、「フードテック」もそのひとつになる。
▼この「○○テック」をNTTデータ経営研究所は「X-Tech(クロステック・エクステック)」と総称して「その業界内部の企業のみならず業界の垣根を超えて来た異業種やスタートアップが、『業界の知見』とデジタルのような『洗練されたテクノロジー』をコアとして創り出す、今までの常識を打ち破るような新しいサービス・製品」と定義している。いくつものX-Techがあるが、生活者の関心が高いX-Techは何かを調査した報告があった。
▼(株)クレオ(東京都千代田区)の生活行動研究室発表のものだが、全体の上位5位は、「ヘルステック(健康×テクノロジー)」「フードテック(食×テクノロジー)」「アグリテック(農業×テクノロジー)」「フィンテック(金融×テクノロジー)」「ガブテック(行政×テクノロジー)」となっていた。中でも「フードテック」と「アグリテック」全年代とも上位5位以内に入っており、幅広い年代で高い関心を持たれている。「フードテック」は、AI活用の献立提供サービスやスマートキッチンなどの新しいサービスが広がり、食スタイルの変化に、これからますます影響してくると思われる。また40代以上では「ヘルステック」が1位となっている。オンライン診療やAIを活用した健康管理、睡眠管理などが日常生活に広がり、自分自身の健康を把握できるようになったことなどの影響なのだろう。
▼X-Techの数々、言い換えればDX(Digital Transformation)は、—「すべての人々の暮らしをデジタル技術でより良く変革する」と定義しているのだが、SDGs (Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)達成のための強い武器のひとつと言える。貧困や不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正など、私たちが直面するグローバルな諸課題の解決を目指すためには、X-Techの活用なしには考えられないはずだ。
(2022・01・14)