早く笑顔と平和が訪れることを祈りたい・・・

メディアが伝えるロシアのウクライナへの侵攻。子供たちが震え、涙を流して訴える姿を見て胸が痛むばかりだ。戦後70年経つが、国連に加盟している193ヵ国のうち、この間に戦争をしなかったのはたった8ヵ国という。アジアでは日本とブータンのみとのこと。世界の多くの国が、戦争という手法で解決を求めてきたことに驚く。

▼コーネル大学RMPジャパンで大変お世話になっている「流通科学大学」のキャンパスに立つと、ダイエー創業者の中内㓛さん(享年83)のたくさんのエピソードに出会える。「戦争は、したらあかん」とよく話されたという。戦時中、中国北部からフィリピン戦線に送られ、そこで重傷を負いながらも九死に一生を得て、やっと生還したという壮絶な戦争体験を持つ。ダイエーが、牛肉の販売に異常なほどの力を注いだのも、激戦地で重傷を負った時に、「子どもの頃に家族で食べたすき焼き」の光景が浮かんで来たらしい。「平和な家庭で、腹いっぱいの肉を食べさせてあげたい」との願いを原動力に流通業を志したとも聞く。

▼一般社団法人 全国スーパーマーケット協会名誉会長の清水信次さん((株)ライフコーポレーション:取締役名誉会長)も強烈な平和主義者だ。空襲で焼け野原になった場所にたったヤミ市、その一角の煮炊きの湯気が上がる場所に多くの人が集まる姿を見て、「食べ物を扱えば、皆もなんとかなる」と感じ食品販売を始めた。「戦争で生き残った者の責務」として必死で働き続けて来たとよく話される。その後、生団連(国民生活産業・消費者団体連合会)も立ち上げている。これは、平和な社会の発展を目指し生活必需品の安心・安全・安定した供給に関する調査・研究、そして非常時における国民生活の防衛を検討する経済団体で、設立時、経団連に対応する位置づけにしたいとの説明があった。

▼ウクライナ国旗は、上が青、下が黄色の二色だが、上は青空、下は小麦畑をイメージしたものだ。「欧州のパン籠」、「欧州の穀倉地帯」と呼ばれるほど肥沃な国土を持っている。肥沃な土地だからこそ、これまでも周辺の侵略を受けやすい環境にあった。今回の事態も、地質学や生物学、地政学や国際関係論など多様な観点からのことなのだろう。

しかし、小売業は平和を望む。特に日本の小売業は、混乱期を乗り越え平和な暮らしの願いを託した企業が多いのだ。イトーヨーカ堂、ヨークベニマル、平和堂、関西スーパー、オークワ、ヤオコーなどの多くの小売業の看板に描かれているのは、平和の象徴の「ハト」のマークだ。長崎屋、ニチイのマークそうだった。

ウクライナに一日も早い小売業の復活、早く笑顔と平和が訪れることを祈るばかりだ。

(2022・03・09)