『仮想ケーススタディ 「コンビニ・スイーツの大攻勢 街の洋菓子店は生き残れるか (前編)」』 清水信年先生

流通科学大学 商学部 教授

例年ですと、春の気配が感じられるこの時期に、Cornell RMP Japan受講生の皆様には神戸にある私どもの大学までお越しいただき、マーケティングをテーマにした2日間の研修を受講いただいていました。コロナ禍によりそれが出来なくなった今、何とかこのウェブ上で研修の体験をご提供できないか……そう考え、仮想ケーススタディなるものに挑戦します。どうぞお付き合いください。

私がマーケティング研修の講師を担当させていただく際には、「ショート・ケーススタディ」をよく行なっています。ヒット商品や成功企業のケース(事例)をまとめた短めの資料をその場で読んでいただき、設問に対するご自身の考え・意見をまとめたうえでディスカッションする、というものです。仮想ケーススタディは、それをこのウェブ上でやろうという企てです。

ひとつ目に用意したテーマは、コンビニ・スイーツです。今やスイーツはコンビニ各社がとても注力する人気カテゴリーですが、そのパイオニアが2009年に発売されたローソン「プレミアムロールケーキ」でした。その開発ストーリーが書かれた記事などはウェブ検索するとたくさん見つかりますが、たとえば下記を読んでみてください。コンビニ(もしくはローソン)ならではの商品開発スタイルを垣間見ることができると思います。

COSMO FOODS 「開発秘話/プレミアムロールケーキ」 http://cosmo-foods.com/about/story01.html

HABOR BUSINESS Online 「「プレミアムロールケーキ」生みの親・ローソン鈴木嘉之氏に聞いた【ヒット商品の法則】」 http://hbol.jp/pc/18299/

ITmedia ビジネスオンライン 「ローソンのスイーツ部門が復活 “冬の時代”をどう脱却したのか」 http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1908/08/news050.html

これらを読んだうえで、以下の設問に対するご自身の考えをまとめてみてください。

「あなたは洋菓子店のオーナー・パティシエです。コンビニ・スイーツの近年の攻勢を受けて、どう対応しますか。」

ケーススタディでは、第三者的立場からの批評やコメントをするのではなく、問題に直面している当事者の立場で考え意思決定する、というのが重要です。それによって、学んだ知識や理論を自らの思考の武器として用いることができる実践的能力が養われます。近所のコンビニでスイーツが売れている状況を見て、洋菓子店の経営者であるあなたは、どう対処し生き残りを図りますか?

この続きは、次回とさせていただきます。どうぞ、ご自身の考えをまとめてみてからお読みください。そこでお示しする内容は、決して「正解」などではありません。ケーススタディで大事なのは、正しい答えを知って覚えるということではなく、自分の考え方以外にも多様な観点があるのだと気づくことです。そのうえで、「いろいろ考え方はありえるが、私としての答えはこれだ」という意思決定をしてみてください。

(次回に続く。)

<了>