4月の季節用語に「花冷え」がある。桜の花が咲く頃に急に気温が低くなることをいう。春になって気温が上がる時期に寒さがぶり返す「寒の戻り」の一種だが、昨日の関東圏は寒い日であった。桜の散る時間を少しだけ遅らせることが出来たかもしれない。日本南北の寒暖差が大きくなる時期で、晴天があまり長続きすることなく、大雨や突風、雷や雹などの気象現象が発生する時でもある。
▼改正民法が施行され、成人年齢が20歳から18歳に下がった。6年前から選挙権が18歳以上になっているので特別な感情が生れることは無いのかも知れないが、改めて自分が住む国や地域の課題を真剣に考えることこそ大事ななるはずだ。「育児・介護休業法」も改正され、企業は対象者に対し、育休制度を個別に知らせ、取得するかしないかを確認することや、取得しやすい環境を整備することなどが義務付けられる。小売業でも無料で配られるプラスチック製のスプーンなどの使用量を減らす「プラスチック資源循環促進法」が施行された。これは、事業者に削減計画を立案し、使用量を減らすよう義務付けるものだ。木などの代替素材への転換といった対応を取り始めた企業もある。期の変わりは、多くの制度も変わるのだ。
▼足元で一番悩ましいのは、賃金の上昇が限定的な中、食品の値上げが4月以降も続くことだ。ガソリン価格なども上がっており消費の重荷になる可能性がある。物流費などの上昇に小麦など原材料価格の高騰が重なり、メーカーも強気な姿勢を保たないわけにいかなくなったようだ。日経POS情報によると、昨年の秋以降にメーカーが値上げを表明した14品目のうち12品目の店頭価格が上昇したとある。小売業の店頭価格への転嫁が早い。
これまでは小売業側が値上げを拒み、原資をメーカーの販売奨励金(リベート)等で帳尻を合わせるケースが多かったのだが、今回の値上げが浸透しているのは、メーカーサイドも物流費や人件費の上昇、原材料の高騰が重なって強い姿勢で要請しているからだろう。
▼世界の食料価格指数(14~16年=100)も140.7と上昇し、11年ぶりに過去最高を更新したという。日本でも2月の企業物価指数は前年同月比9.3%上昇した。石油危機の影響があった1980年12月以来およそ41年ぶりの高水準となっている。消費者物価指数も総合指数は前年同月比0.9%上昇した。そのうち食料が0.74ポイント押し上げている。消費者の節約志向は強まりつつある。31日は値上げ前の駆け込み購入の様子がニュースになっていた。少し長いスパンで、価格戦略、特売戦略を練る必要がありそうだ。
(2022・04・02)