Wegmans、「最も働きがいのある企業100」に今年も・・・

米国の経済誌『フォーチュン』誌は恒例の「最も働きがいのあるベスト企業100(100 Best Companies To Work For)」を発表した。米国の従業員数1,000人以上、創業7年以上の企業を対象に87万人以上の従業員を調査しているもので、今年で25回目になるという。コロナ禍の影響もあり、リモートワークが普及していることで、目的や傾聴、ケアと共感にインクルージョン(inclusion)という語も項目にある。

▼「inclusion」を辞書で引いてみると「包括」「包含」とあり、組織内にいる誰もが「その組織に受け入れられ、認められていると実感できる状態」指す言葉のようだ。もともとは社会福祉の分野で提唱され、やがてビジネスにおいてダイバーシティを支える考え方として広がっている。コロナ禍の影響で進んだリモートワークのデメリットとして、社員として集まる機会が減少し、一体感や参与が薄れて仲間意識が育ちにくいこともあり、最も働きがいのある項目にinclusionを導入したようだ。

▼小売業でトップとなったのは、コーネル大学RMPジャパンの修了生にはおなじみの企業である「ウェグマンズ(Wegmans)」である。このWegmansは、「100 Best Companies To Work For」に20年間連続で選ばれた企業に贈られる「Great Place to Work Legends」を5年前に取得している。Wegmansは前年の4位から3位に上がり、常に5位以内となる地位を維持し続けている。Wegmansは、2017年からコリーン・ウェグマン氏が四代目CEOに就任している。同社では初の女性CEOとなっており、妹のニコル・ウェグマン氏がシニア・バイス・プレジデントを務めている。父から娘への事業継承が上手くいっているだけでなく働きがいのあるベストな職場環境を維持しているのだ。

▼小売業では、12位(前年14位)に約2,000店舗を展開するディスカウンターの「ターゲット」が入っている。以下の企業は、コンビニエンスストアのシーツ(Sheetz)が今年、これまでで最も高い33位(前年83位)となっている。Sheetzは2.3万人が働くが、7,000万ドルを投資し福利厚生を充実させたことで働きがい指数も上がったようだ。92位(前年42位)にフロリダを中心に1,270店舗を展開する「パブリクス」だ。95位となったのは、北カリフォルニアで家族経営で展開する「ナゲットマーケット」。サクラメントを中心に13店舗のナゲットマーケットを展開し、全16店舗の食品スーパーを営んでいる。ただ、前年の24位から大きくランキングを下げている。98位には前年の36位から大きくランクを下げた「カーマックス」が入っている。

2019年までの8年間、修了生と一緒にイサカ市のWegmansの店舗を定点観測して来た。現状どんな変化をしているのか。コロナ禍の対策を実際に見学したい気持ちがますます高まる。

(2022・04・20)