われわれも「悪い円安」対策を・・・

3月の消費者物価指数(2020年=100)が総務省より発表(22日)された。生鮮食品を除く総合指数は100.9(前年比0.8%増)で、前月(0.6%)から上昇幅が広がった。原油価格の高騰で電気代やガス代が上昇したほか、原材料価格の高騰で食料品も上がった。携帯電話料金の引き下げによる影響を除くと、上昇率は2%を超えるという。

▼われわれの業界に直接関係する食料は102.5(前年比3.4%増)、生鮮食品105.9(前年比11.6%増)、生鮮食品以外の食料101.9(前年比2.0%増)となっている。生鮮食品以外の食料の上げ幅は2月(1.6%)を上回った。2%上昇は6年3カ月ぶり。円安や海外での需要増加を受け、輸入品の牛肉(10.4%)や食用油(34.7%)が上がった。2021年度平均の消費者物価指数も発表され、生鮮食品を除く総合指数(2020年=100)が99.9、食料は100.0、生鮮食品98.8、生鮮食品以外の食料100.2となっている。

▼食品の物価指数は、昨年10月の終わりごろから急に上昇している。原油などエネルギー価格の上昇に円安が重なり、輸入価格が上昇しているからだ。低迷が長く続いたが国内物価も上がりつつある。物価を上げようとして様々な手を打ち続けて来た日本銀行的に言えば、待ちに待った機会がやっと来た感じになる。しかし、政府は今月末に向けて「総合緊急対策」の準備も進めている。ガソリン補助金など種々の対策に加えての物価対策を唱えている。しかも、対策はいつもの「補助金交付」になりそうだ。コロナ禍やウクライナ問題に原因があると捉えての対策だけでは解決しそうもない。

▼エネルギー資源の多くを輸入に頼っている日本では、輸入価格の上昇は企業の収益や消費者の実質所得の減少をもたらす。それに対する対策は必要だが、補助金や減税によるもので解決に繋がるのかと疑う。長期間に渡る場合にも、この手法で続けることが可能なのだろうか。何よりも価格メカニズムが機能しなくなるのではないかと懸念される。例えば補助金で価格をコントロールすると革新が進まず、結果的に更なる弱体化へ進みはしないかと心配になる。そして、政府が物価対策を考えている時に、日本銀行は依然としてデフレ脱却を目指して強力な金融緩和を続けていることになる。確かに日本は袋小路に迷い込み、根本的に打つ手が見つからないのだから仕方がないのかも知れない。ただ、このアンバランスが内外金利差を拡大し、円安を進めて輸入物価の上昇を大きくしているのではないかと思われる。

デフレの時代は終わった。われわれの業界も価格メカニズムを生かしながら、資源価格の上昇にどう対応すべきかを根本的に考える時になったと思う。企業物価指数は暫く高止まりしそうだから。

(2022・04・25)