オーケーの22年3月期決算は、営業収益が5250億円(対前期比3.2%増)、営業利益が300億円(同1.2%減)、経常利益が311億円(同0.7%減)、税引後純利益が222億円(同3.2%増)だった。ホームページに掲載されている「第55期の業績について」の説明によるものをみたい。
▼53期、54期と2期連続で2ケタの売上増を続けてきたが、22年3期は1ケタにとどまった。新店は6店舗、前年期の巣ごもり需要による売上急増の反動の影響で、既存店売上高は0.2%増であったが、21年3月期には対前期比12.5%増だったので、高いバーをさらに超えたという強さが伝わる。
営業利益および経常利益は微減だが、販管費の伸び(5.5%増)によるものだ。減価償却費も同4.8%増となっているので、積極的な投資が行われているものと見て取れる。売上高経常利益率は5.94%と高水準を維持していると言っていい。10億円の特別利益を計上しているが、これは主に上場企業株式売却益(9億5000万円)で、旧関西スーパーマーケット株式の売却益と考えられる。
▼23年3月期の業績計画は、売上高が対前期比8.1%増の5662億円を見込むとある。新規出店については、10店舗のオープンをめざすとある。この10店舗はいずれも1都3県の都心と郊外だが、更なる成長加速のために、期待が集まっているのが展開エリアの拡大になる。関西スーパーが買収できれば、関西地区に60店舗あまりを入手できるはずだった。二宮社長は雑誌などのインタビューで、実際に関西からは具体的に出店を求める消費者の声が多く寄せられると発言している。
▼オーケーの強みは、単に商品を安く売るだけではなく、仕入れ価格や店舗運営コストを安く抑えて高い収益性を実現している点になる。売上高経常利益率も6%前後と他社の倍以上なのだ。EDLPを武器に消費者の支持を集め、急成長してきたのだが、大手メーカーのNB商品を、考えられない低価格で売り出す戦法を続けてきた。ただ、このEDLP政策は、物価高の続くインフレ下ではどのように対応するのか大変興味深い。今年2月の花王製品の値上げに対し、500前後の取り扱い商品のうち150品目近いものの販売中止を発表した。その後、「アタック」などを再び品揃えするなど、対応に苦慮する面も見られた。
流通コンサルタントが絶賛するEDLPだが、どのように乗り切れとコンサルテーションするか楽しみでもある。
(2022・07・03)