インボイス対応は出来ているか・・・

スーパーマーケットや総合スーパーの業界団体が中心となって検討し、共同実証を重ねて規格を定め「流通BMS」が作られてから相当の年月が経つ。経済産業省の「流通サプライチェーン全体最適化促進事業」からスタートし確立したEDI(Electronic Data Interchange)のことだ。財団法人流通システム開発センターの尽力で形作られ、流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)に準拠したEDIを導入することで、発注データの通信時間の改善、調達リードタイムの短縮、伝票レスとその効果が実現できた。

▼その後、流通BMS対応を中心にして、Web-EDIや従来型EDI、FAX自動配信も含めた統合EDIサービスを「スマクラ」の名称で展開した。取引先にも導入頂くことで、発注・受領・納品・請求など、ペーパーレスでの取引が可能となった。しかも、ITの専門家がいなくても円滑な導入・運用ができるよう導入後の支援体制・運営支援もサービス化したものだ。

なぜ、急に「スマクラ」の事を述べたかというと、インボイスに関する記事が紙面を賑わすようになり、コンピュータソフト会社のTVCMが流され出しているからだ。

▼2023年10月にインボイスの制度は開始されるが、同年3月末までに登録しなければならない。現在、登録を終えたのは消費税を納めている事業者の3分の1程度にとどまるという。インボイス制度は「適格請求書等保存方式」の通称で、19年10月の消費税率10%への引き上げから、4年間の準備期間を経て導入することが決まっていた。制度が導入される背景には、食料品などに8%の軽減税率を適用したことにある。消費税を納める事業者は8%と10%のどちらの税率を適用したか、正確に計算しなければならない。売り手企業はインボイスに明記した消費税を買い手から受け取り、納税する。買い手はインボイスにある消費税を納税額から差し引く「仕入れ税額控除」を利用できる。

▼企業は仕入れ先がインボイスを発行できるかどうかで対応が変わる。企業は消費者から受け取った消費税を納税するが、インボイスがないと仕入れ税額控除を使えないためだ。消費税は、年間売上高が1000万円以下の個人事業主や零細企業は納税義務が免除されている。地元野菜業者など一部の納入先には免税事業者がいる。この企業(人)は課税事業者になるかはあくまで任意となる。取引先が課税事業者になるよう強制したり、取引停止を求めたりする動きが起きるのではないかとの不安がもたれている。導入時期が近づけば、駆け込み対応が増えるのだろうが、事業者の不安解消と円滑な制度開始へ対応を急ぐ必要がある。

「流通BMS」「スマクラ」はこの法令に対応することを前提にシステム化したものだ。対応に未着手なら、全体の効率化を考えた、新規導入を前提に検討をするのに良い機会と思う。