10月は、「食品ロス削減月間」で・・・

10月に入った。標高の高い場所では、既に紅葉が始まっているとのニュースが流れ出した。各地のもみじなどが紅葉する日を結んだ線を紅葉前線というが、10月中旬に北海道から始まり、11月下旬に関東以西の太平洋側に進む。雲が空高い所に出やすいので空は高く見え、大気中のチリや水蒸気が少なく、澄んだ青空が広がる爽やかな良い季節のはずなのだが、新聞を賑わすのは、ロシアのウクライナ東・南部4州を一方的に併合するとの宣言や食品や家電など幅広い製品価格が一斉に上がるなど気分も暗くなるニュースが続く。

▼帝国データバンクの調査によると、株式上場している食品メーカー105社の10月値上げ約6600品目に達するとある。22年に価格が上がる食品は2万品目を超えるようだ。品揃え品目数から見ても店舗まるごとの値上げ状態だ。家計負担は食品だけで年約7万円高まるとの計算もある。これに電力料金なども上がっており、消費者は節約志向を強めざるを得ない。個人消費の低迷が起きて景気減速につながりかねない状況だ。

▼月の異名は神無月を代表として、神有月・時雨月・初霜月・初冬などが記載されている。庭のキンモクセイもここ数日で一気に開花し甘い香りを放っている。爽やかで過ごしやすい10月は、学校や地域で運動会やスポーツ大会が開かれ、スポーツに親しむ機会が増える。22年は体育の日が「スポーツの日」に名称変更してから初めて、本来の10月に祝日がある。店舗では、3連休にスポーツや運動を新しく始めることを提案したいし、行事として実施する家庭も少なくなったのだが、8日の「十三夜」には、栗料理や豆料理を楽しんで頂きたい。若い人は、「ハロウィン」にカボチャ料理を食べたり、飾り付けをしたり、仮装をして楽しむことを積極的に実施するようで、催事のテーナとなろう。収穫の季節であり、高くはなったが秋魚や山の幸など旬の味覚を味わえる訴求が必要。新米や新そばなど新物も美味しい旨を訴求したい。秋の味覚狩りを店内で開催するのも子供たちに受けるかも知れない。そして、冬の衣替えの時期であり、希薄になってしまったが冬物衣料の準備を行なう習慣もあった。肌寒さを感じ始めると、鍋やシチューなど温かい食事が増える。肌や髪の乾燥対策など冬支度も訴求したい。

▼業界として意識しなくてはならないのは、10月は「食品ロス削減月間」であり、10月30日は「食品ロス削減の日」にあたる。日本では、本来食べられるのに捨てられてしまう食品が、年間612万トン(平成29年度・推計)発生している。国民1人当たり、毎日ご飯茶碗1杯分(約132g)を捨てている計算になる。消費者庁、農林水産省、環境省なども啓蒙資材を作成し、配布している。昨年の「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテストの受賞作が次の句だ。

  • 「あまりもの まほうをかけて 新レシピ」
  • 「冷蔵庫 開けて地球を のぞき込む」

食品ロス削減月間を意識し、日常的に食品口ス削減に取り組む姿勢を啓蒙活動の一環としても展開しておきたい。

(2022・10・02)