オーケーの関西進出が・・・

オーケー株式会社は、10月6日「関西エリア出店用地の取得について」と題するリリースを発表した。それによると、オーケーの子会社を通じて、東大阪市が保有する東大阪市高井田にある3626.35㎡の土地を入札にて落札したとある。阪神高速道路の高井田出入口の近くで、元々は市営住宅があった土地で現在は更地になっているという。市の公示によれば、落札金額は27億4242万円とのことだ。今後、東大阪市との契約を経て、11月中旬を目途に引き渡しを受ける予定とある。

▼オーケーは、「高品質・Everyday Low Price」を経営方針に掲げるディスカウント型のスーパーマーケット(SM)だが、22年10月現在、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に137店舗を展開している。この立地に関西エリアにおける旗艦店としての出店を目指し、2023年度(2024年前半)に出店すべく準備を進めていくとある。悲願の関西1号店になるのだろう。広報では「今後も関西エリアでの積極出店を計画しています。候補地がございましたら、お気軽にお問い合わせください。どうぞ宜しくお願い申し上げます」とのコメントも記載されていた。

▼オーケーとエイチ・ツー・オーによる関西スーパー争奪戦が決着したのが昨年末のこと。今年に入ると、業界誌に「オーケーが関西のローカルチェーンに接触している」という憶測記事が出始め、8月には大阪のローカルチェーンの買収を予定しているとの報道も流れた。これに対しては、当のローカルチェーン側が「一切関わりはない」として否定するリリースを発表したのだが、他にも買収候補として複数のチェーンの名前が挙がっていたのでM&Aによる関西進出を狙っているものとばかり思っていた。そんな中で出された土地入手のリリースであった。

▼出店予定地の周辺は「ライフ高井田店」を始め「万代森河内店」「スーパーマルハチ高井田店」などが徒歩圏内にある激戦区になる。東大阪市は、万代の本部があり、同社のお膝元になる。オーケー進出による競争激化は必至と思える。関西の食品小売のマーケットをめぐっては、ロピアが20年9月に進出後、約2年間で12店舗(大阪、兵庫、京都、奈良)まで店数を増やしている。同じ神奈川に本部を持ち、同じ「安さ」を強みとするロピアがすでに成功していることを考えると、オーケーとしても早期に関西地区での店舗網を築きたいはずだ。満を持して関西に乗り込むオーケーを関西地盤のSM各社はどう迎え撃つのか。数年は関西エリアの小売マーケットから目が離せない状況は続きそうだ。

(2022・10・11)