コーネル大学RMPジャパン 12期開講に向けて・・

5月上旬に、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が、「5類」に移行した。季節性インフルエンザと同じ分類になったことから、外出が増え経済活動も盛んになっている。

全国の感染状況は、お盆期間など人に会う機会が増えた影響もあり、緩やかな増加に転じているようだ。感染した多くの人はかぜ症状で済んでいるようだが、高齢者や基礎疾患のある人を守るという意識で感染対策を継続することが大事になっている。

▼国内の食品スーパー市場も激変している。約3年間に渡り実施してきた「ウィズ コロナ」「アフター コロナ」対応に加え、コロナ前の課題、そして環境変化による三重苦に立ち向かわなくてはならない。人口減少社会で物価高も進み、業態を超えた競争が激しくなっている。同質の商品であれば価格競争に陥ってしまう。他社にはないオリジナリティー(独自性)を持つことが、生き残る上で重要な要素と言える。

▼具体的には「原料、コストの高騰」、「巣ごもり反動」、「人手不足」の三重苦との戦いになるだろう。ただ、「スーパーマーケット販売統計調査」によると、既存店の前年同月比は、3月以来5カ月連続で増加している。そうなると課題は、予定した利益は確保できているのかとなりそうだ。生活者も節約志向を高め、価格を重視する店選びにウェートを置き始めているからだ。

▼環境が激変する時代、小売業界近代化のバイブルであった「チェーンストア理論」を改めて学ぶ必要がありそうだ。これまでとは違う新しいモノサシを探す必要があるからだ。サービスや販売促進策の変更やリアル店舗ならではの価値の提供、商圏深耕による個店対応力強化に舵を切る必要も生まれてくるだろう。「引き算」から「足し算」発想へ、「教える」から「探し・育てる」発想へなどがキーワードになるのかも知れない。

2023/09/01