コーネル大学RMPジャパンの受講生は、経営(層)と次のステージが経営層の人達が参加しているので、経営学の範囲を網羅したいと考えている。ただ、経営学とは経営者が学ぶべき集合体の事で、あまりの幅広さゆえに学問として存在しないという意見もある程だ。経営戦略論、経営学史なども経営学のほんの一部に過ぎないという事になる。
▼そこで、実際に組織のトップとして仕事をするリーダーが何を行うべきかを考えてみると、① 組織の未来への設計図を描き、② 他人を通して具現化する為の仕組みを作る。③ 実行過程で想定外が起きた時に対処する。④ これら全体を推進する際に必要な決断をする。ということになりそうだ。これを重点として進めて行きたいが、同時に企業の本質を考えることも意識したい。
▼カリキュラムは、米国小売業の情勢を含めた業界を取巻く環境、統計や情報技術に関する事項、経営戦略、マーケティング、アカウンティング、ファイナンス、人・組織(リーダーシップ論)、オペレーション戦略を柱に展開する。コロナ禍で変化した人々の価値観や行動は、全部は元に戻らないだろう。将来、起きると予測した事項が、コロナ渦で時間を早め現実のものになり始めている。SM業界に求められるスキルも大きく変わるはずだ。
▼そして、経営は、知識よりも、経営センスを身につけ、考える力をつける事が重要と考える。そこで、カリキュラムの中で重視したいのが、受講者が集まる「場」ということになる。この「場」で、出題テーマに関するディスカッション、アフタースクールでのコミュニケーションが行われるであろう。これらを通して、企業の課題を解決するために、小売業という産業、企業、事業、部門、仕事、メンバー、市場といった環境要素を考慮し、条件にあった解答を導き出す力を育成することを最大の使命としたい。積極的な発言に期待したい。
2023/09/05