チーム「一丸」の勝利・・

日本のバスケットチームがパリ五輪出場権を獲得した。開催国枠での出場を除き、自力で五輪に出場するのは1976年モントリオール大会以来ということだ。五輪でのバスケットは、世界で12チームしか出場できず、日本のバスケ界の歴史的一歩になった。「おめでとう」を心から申し上げたい。「FIBA バスケットボール ワールドカップ2023」の最終戦、カボベルデに80-71で勝利できたからだ。

▼試合は、序盤に富永の連続スリーポイントシュートなどがあり、最大20点をリードする展開であり、勝利を確信してTV観戦していたが、第4クオーターでまさかのブレーキ、7分間得点が取れず3点差まで追いつかれてしまう展開になってしまった。なんとか我慢を続け、最後はホーキンソンの連続得点でやっと逃げ切り勝ちを収めた。最後の苦しい展開を打ち破ったのは、これまでの厳しい練習の積み重ねと信じる気持ちだったのだろうか。

▼「常に日本に夜明けをもたらす先駆者であり日本社会に日の出の勢いをもたらす存在でありたい」との想いから命名された「アカツキ ジャパン」の愛称で戦い抜いた。「試合に出られない選手を含め、誰一人エゴを見せることなく、全員が役割を理解してやれていた。本当に理想のチーム」と渡邊がインタビューで答えていたが、接戦をものにできるチームは、シンプルに「一丸」になっているのである。ただ、これが難しいし時間がかかる。

▼日本チームが一丸となれたのは、トム・ホーバス監督(56歳)が「現場」を疎かにせず、Bリーグの試合をくまなく観察し、入念な選手選考と役割分担、戦術を組み立てたからだ。何のためにこのチームにいるのか、一人ひとりの役割が明確なチームは時間がかかっても「一丸」になる力がある。日本のバスケットを男女ともに見つめ続けたトム・ホーバス監督の手腕によるところが大きかったのだ。いい経営者(陣)が、いい企業を創るのだ。

2023/09/06