今年は、「関東大震災」から100年の節目の年である。関東大震災は、死者・行方不明者数が10万人を超えるという国内最大の災害であった。その後も、「伊勢湾台風」、「阪神淡路大震災」や「東日本大震災」など多くの災害によって、甚大な被害が各地で発生してきた。新型コロナウイルス感染症も甚大な災害もいえるが5月に感染症法上の分類が5類に移行し、社会、経済活動等がコロナ禍前に戻りつつある。
▼しかし、近年も毎年のように豪雨、台風などの自然災害が発生し社会生活、企業活動に大きな影響を与えている。8日から9日にかけても、台風13号の影響で千葉、茨城の両県などで線状降水帯が発生した。複数の観測地点で降り始めからの総雨量が平年の9月1カ月分を上回る記録的な大雨となった。また、首都直下地震や南海トラフ地震などの大地震も発生の確率が高いと予見されている。
▼平常時から緊急事態に対する備えが、事業継続のみならず企業価値の維持・向上の観点からも重要である。そこで、帝国データバンクが実施した「関東大震災の認知度や震災に対する企業の見解」についての調査(23年5月調査)報告を見てみると、『関東大震災から 100 年』であることを知っている企業は 42.5%、「100 年であることを知っている」かつ震災への備えに「取り組んでいる」企業は 16.5%にとどまるとある。
▼これは、「100 年であることを知っている」かつ震災への備えに「取り組んでいる」企業が全体の16.5%と2割以下であったということで、震災への備えに取り組んでいるかの質問に対しては、「取り組んでいる」と回答した企業は38.0%ということだ。少し安心はできるが、それでも4割以下である。地球温暖化による台風の巨大化、豪雨、森林火災などさまざまな自然災害が顕著になっている今、震災への備えを点検する必要があるようだ。
2023/09/10