『Diamond Chain Store』(ダイヤモンドチェーンストア社)誌、9月15日号では国内小売業売上高1000社のランキング特集を組んでいるが、今年度の総合スーパー(GMS)業態の動きを見てみたい。1000社ランキングに入ったGMS企業は13社で、総売上高は5兆4492億円とある。前年から14.0%の減少だが、コロナ収束に伴って人流が増加したことにより、業績はおおむね回復傾向にあるようだ。
▼昨年に続き首位となったのはイオンリテール。23年2月期売上高は1兆7515億円(対前期比3.6%減)で減収していたが、営業利益は黒字化し、最終赤字幅も縮小している。衣料品やヘルス&ビューティケアなど非食品の売上高の伸長が貢献している。さらにAIの活用や在庫最適化による荒利益率の改善などの取り組みも奏功し、大幅な損益改善を実現した。
▼イトーヨーカ堂が2位。売上高は新収益認識基準会計の適用に伴いの7293億円(同31.7%減)、総額売上高では対前期とほぼ同額であった。何日か前にも記したが、9月1日付で、セブン&アイ・ホールディングス傘下のヨークを吸収合併し、運営効率の最大化に努めるとしている。アパレル事業からの完全撤退と店舗閉鎖で 26年2月末には93店舗になるという。イオンリテールの一人勝ちになってしまった。
▼3位は、イオン九州が昨年5位からランクアップした。売上高は4844億円(新収益基準適用前のため、増減比較はなし)となっている。昨年3位だったイズミが新収益基準適用で売上高が目減りしたことにある。4位はユニー、5位は平和堂となっている。新収益認識基準により、総売上高を大きく落としたGMSだ。24年には、フジ、フジ・リテイリング、マックスバリュ西日本の統合新会社設立など、企業再編による上位集中が進みそうだ。
2023/09/22