情報交換の機会ごとに出る話題は・・・

食品スーパーの関係者と情報交換の機会ごとに出る話題がある。「物流の2024年問題」、「人手不足の問題」そして「環境問題」だ。人手不足問題は、今話題の「年収の壁」であり、「技能実習制度」に関するものだ。営業面では、「世代間のギャップ対策」、「生活(富)の二極化問題」と「デジタル格差」に関することが多い。新型コロナウイルス禍からの経済再開や訪日外国人の増加で景況感の改善が続く中にあって、解決への方向付けが大事になる。

▼「物流の2024年問題」では、食品スーパー全体が「多頻度」で、欠品を恐れるあまり、過剰な物量と高頻度な配送を引き起こしている。ドライバーの長時間労働になっている一因ではないかと言われることがある。国内の農業従事者が130万人、食品メーカーは約3万社あるが、これを1億2600万人の国民に効率的に繋げるために市場があり、食品スーパーがある。食料品流通の効率化に資する存在であるはずなのだ。

▼食品スーパーは、物流の効率化に真っ先に貢献したのだ。この事をきちんとアピールしたうえで今、何が起きているかと言えば、一つはお客さまがより利便性を求めて、「宅配クライシス」が起きている。もう一つは、ドライバーが高齢化するとともに従事する人たちが減少し、結果的に超時間労働になっているのだ。これを是正しなければならないということで、「物流2024年問題」というテーマで、政府が規制をかけることになった。

▼食品スーパーも、一層、物流を効率化していかなければならない。取引先から食品スーパーの物流センターまでの物流をいかに効率化するかという課題がある。そして物流センターから店舗への配送の効率化をどう図るかが課題になる。これは、食品スーパーはこれまで、店舗のオペレーション起点で物流を組んで来たので、複数ある便の積載量の平準化を図ることが難しかった。これからは物流面からのアプローチも必要になってくる。

2023/10/04