PB商品扱う食品スーパーは80.5%にも・・・

日本経済新聞が、11月15日の朝刊一面トップ記事に「小売りの食品PB比率最高」との記事を掲載していた。スーパーの食品販売額に占めるPB比率は10月に16.8%に高まり、店頭価格の上昇は鈍化しているとあり、物価押し上げの主軸はモノからサービスに移る。食品など生活必需品で割安なPBを拡充し、イオンは食品PBの半分を刷新、セブン&アイ・ホールディングスは低価格帯のPBを倍増させるとあった。

▼日本経済新聞社と調査会社のインテージが全国のスーパーなどから集めたPOSデータの分析なのだが、加工食品や調味料、清涼飲料、アルコール飲料などを含む食品PBの割合は、統計がある12年以降で最高になったのだ。品目別のPB比率は、冷凍野菜が57%と最多で、ハムが34%、牛乳は32%だった。

▼PB商品が注目されるのは、これまでも何度もあったが食品価格の上昇時になる。帝国データバンクによると、22年の食品値上げは約2万6000品目、23年は1~10月の累計で既に3万品目を超えた。総務省の消費者物価指数(2020年=100)も10月、東京都区部で116となり、21年1月から16.3%も上昇している。消費者は生活必需品への節約志向を強めている。PBへのシフトは店頭価格の上昇率を下げてもいるようだ。

▼「きょうのことば」欄に、全国スーパーマーケット協会などがまとめた調査を引用して、PBを取り扱うスーパーの割合は23年に80.5%に達した。物価高で生活必需品のPBに脚光が集まり、比較できる過去7年間で最も高い水準となったとある。食品スーパーの多くがPB商品の取扱いを始めているのだ。ただ、単価が安いPBだけでなく、付加価値型のPBも登場し商品の幅が広がっているのだから、NB商品の同等品と比べて割安なのが特徴との認識は間違っていると思う。脱NB商品の廉価版の傾向に注目して欲しいのだから。

2023/11/22