「消費」が変われば「店」が変わる・・・

2022年にOpen AI社が公開した「Chat GPT」を始めとする生成AIの登場、そしてその浸透は、世界中に大きなインパクトを与えている。インターネットを凌駕する技術革新ではないかとの声も聞かれるほどの注目を集めている。流通業界にも影響を及ぼすことになるだろう。生成AIはどのような変革を巻き起こすことになるのだろうか。店舗づくり、売場づくり、商品開発なども変わるだろう。そして何より買物はどう変わりのだろうか。

▼何故、生成AIの活用が必要なのか。どのようにアプローチすべきなのか。必要な組織体制とはどのようなものか。それよりも生成AIの仕組み、食品スーパーが活用するうえで習得すべき知識とはどのようなものが必要になるのかを知りたいと思う。ただ、米国のコンサルタントが、「顧客体験が変わらなければ、産業が変わることはない。顧客体験を変えれば、産業は変わる」と言っている。あくまで現場の課題や顧客の買物体験をどう変えるかが目的となるはずだ。

▼「消費」が変われば「店」が変わることになるのだろう。米国のショッピングセンター(SC)が激変している。今年9ヶ月間のSCへの出店小売業者の契約リース面積の平均は、3,200平方フィート(約90坪)であるという。統計データのある06年以降で最小面積であったという。リース面積の縮小は、ECの売上拡大に加え、オムニチャネル化の影響が大きい。また、「体験に重点を置き、飲食にフォーカスしている」との指摘もある。

▼米国小売業視察の目的に特徴あるSC見学が含まれていたので顧客体験が激変している証明になるのだろう。SC見学時に、顧客満足のエピソードと共に体験見学を試みた百貨店NORDSTROMも退店が続いているとある。そのうえ買物の仕方の変化は店舗数以外にも店舗サイズに大きなインパクトを与えている。米国のZ世代やミレニアム世代は、アプリを介して買い物し、高齢化するベビーブーム世代は広い売り場を歩き回ることはしなくなったからだ。

2023/12/18