年末挨拶の中で出た「小売業ビッグ2」の話・・・

「少し早いのですが、年末のご挨拶を・・」とのフレーズが増えて来た。いよいよ一年間の総決算の季節を迎える。強い寒波の影響もあるだろうが、健康に留意して悔いのない商戦を乗り越えて欲しい。ある証券会社の営業担当からも年末の挨拶があったが、その時に「イオン」と「セブン&アイホールディングス(HD)」に関する情報ですとの事だった。当方が流通小売りに席を置いていたことは知っているはずなのだが、興味深く聞かせて貰った。

▼我が国流通業界を代表する2つの巨大企業で、その時価総額は、イオンが約2兆7千億円、セブン&アイHDが約5兆2千億円を誇っている。1970年代初頭、イオンはジャスコとして、少し早くにセブン&アイHDはイトーヨーカ堂として東証上場を果たした。両社の出発地点は同じだったが、約50年が過ぎた今は、目指す企業像に「決定的な違い」があるので、それぞれ事業をどのように整理しているのか深掘りしてみると面白いという訳だ。

▼セブン&アイは、既に祖業であるイトーヨーカ堂を中心としたスーパーマーケット事業を中心とする企業ではなく、収益面でも利益面でも圧倒的な存在感を持つコンビニエンスストア事業を中心とする企業である。簡易な把握のために決算書の「消去および全社」の数字を除外して構成比を計算すると、コンビニエンスストア事業の収益に占める比率は約82%、また営業利益に占める比率は約90%に達している。

▼イオンについては、セブン&アイHDほどの偏りはないが、収益では全体の約36%を占めるGMS事業だが、利益の構成比はわずか6.6%とその貢献は僅かである。逆にイオンの利益を支えるものは、ディベロッパー事業であり総合金融事業、ヘルス&ウェルネス事業になっている。こちらも祖業である総合スーパーマーケット事業ではなく、その事業から派生していった事業体、周辺事業の企業が現在の位置であるとの説明である。

面白くなってきたのでもう少し聞いて見ようと思った。(つづく)

2023/12/23