コーネル大学RMPジャパンの今月の講義は「スーパーマーケット業界の課題と展望」と「アカウンティング」になる。アカウンティングというと、経理部や財務部の方々の専門性が高いものとの認識がないわけではないが、経営者あるいは経営管理者を目指す方々の視点から財務会計と管理会計を学んで活用できるように実践的な会計の講義をお願いしている。今期も早稲田大学大学院(ビジネススクール)教授の西山 茂先生にご登壇頂く。
▼経営を学ぶといっても、具体的には経営戦略、マーケティング、人的資源管理、ファイナンス、アカウンティングなどいくつかの分野から構成されている。そのうち経営戦略やマーケティングについては「ルール」面の比重は低いので、それぞれの企業や業務担当者たちの判断や考え方によって差異が出る部分が大きいので、正解の選択肢も多くて幅も広くなる。対して会計はルールで拘束されている部分が多く、企業としての選択の幅も限定的になる。
▼食品スーパーでも、会計といえば経理関係の仕事だと決めつけている人は少なくないはずだ。こうした見方は、会計の狭い面しか見てない事になる。会計は経営のいろいろな側面を支える基礎となっており、ビジネスを行なう上での共通原義といえるので「Business Language」と言われている。ビジネスに勝ち残っていくためには、財務会計を身につけ、管理会計を掌中に収めることが不可欠になるのである。
▼事業を進める上で、設備を購入する方が良いかリースにした方が得かや、極端な例になるがある会社を買収するか否かなどの意思決定を行うには勘や経験に頼るだけでは覚束ない。定量的なシミュレーションが必要になるのだ。経営戦略を効果的に実行するにも、人を含む経営資源を上手くコントロールしていく事が不可欠だが、ここでも会計の考え方が利用出来るはずだ。競争相手の実態を見抜くにも会計を学ぶことで能力を高める事ができるのだ。
2024/12/12