Amazon.comは、リアルの領域に深く入り込んで来ていることはご存知のとおりです。ECや物流の領域と同様に、リアルの領域でも破壊的なイノベーションを巻き起こしています。リアル店舗戦略は、2015年に書籍専門店「Amazon Books」、モール内の主通路などで製品展示を展開する「Amazon Pop-up」を出店したことから始まりました。そして18年には星4つ以上の評価を得た商品を揃えた「Amazon4-Star」の出店をしました。
▼そして小売市場を揺るがしたのが、18年に開業した「Amazon Go」です。AIやコンピュータービジョンなどを駆使して、レジに並ぶことなく商品を手に取り、そのまま店を出ることが出来る革新的な店舗だした。ここで用いられるレジレス技術JWO(Just Walk Out)を導入したSMとして、20年にシアトルで「Amazon Go Grocery」を出店しました。このJWOは外部企業にもライセンス販売されております。レジに並ぶことのストレスから解放されるというメリットに加えコロナ対策や安全上の問題解決に繋がったようです。
▼Amazonがリアル店舗で現在、最も力を入れているのが、「Amazon Fresh」です。傘下のホールフーズとは別事業で運営しておりNB商品も扱う売場面積は800~900坪程度のSMです。ここでは、レジ機能付きのショッピングカート「ダッシュカート」を導入、商品認識用のカメラと重量センサーを搭載し、カートに入れた商品を自動でスキャンしそのまま決済まで完了できるものです。また、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store:ネット注文品の店頭ピックアップサービス)の拠点としての機能も有しています。
▼このAmazon Freshですが、ワシントンD.C.の出店地は、200坪程度のスペースしかなく、英国で初出店したのは約70坪のレジレス小型店であったことからも、JWOを取り入れたレジレス小型フォーマットとなる可能性が話題になっております。SMや生鮮ECの配送拠点としての役割だけでなく、注文品のピックアップハブとしても重要な機能を担っているようです。
(2021・11・16)