全国スーパーマーケット協会主催のFSN(Future Store“NOW”:継続的近未来スーパーマーケット研究)の推進協議会が、今月12日に委員出席のもとでの開催が出来ました。
▼この推進協議会は、SM(スーパーマーケット)の近未来の姿を創造するため、生活者と流通を取り巻く課題について、小売業とソリューション事業者で共にディスカッションする場として開催され続けております。最近の話題の中心にあるのが、システム関連構築、オペレーション構築に関するものです。
▼今回は、「チェックアウトシステム、キャッシュレス」がテーマでした。事例発表者のお一人が、株式会社TOUCH TO GO(東京都港区)の阿久津智紀社長でした。ファミリーマートが24年末までに予定している「無人コンビニ1000店舗」構想の中核になる無人店技術を開発している企業です。この中で小型モジュールの開発が出来た旨のお話がありました。その実用化1号店が、埼玉県川越市の西郵便局のロビー内との事で、店員が常駐せず、会計も無人で済ませることができるということでした。早速、出かけて見ました。店舗面積は5坪にも満たない広さで、店員は常駐せず、商品補充は近くの店舗スタッフが行っているようです。天井に設置した20のカメラと商品棚の重量センサーで、手に取った商品を自動的に識別し、無人レジで決済する仕組みです。高齢者へ配慮してか、精算方法に「現金支払」も残しておりました。JWO(Just Walk Out)も技術的には可能なのでしょうが、敢えて「精算行動」も残しているようです。今後、過疎地などへの出店を進める狙いが窺えます。日本郵便の衣川和秀社長も、NHKの報道の中で、「ポストコロナ、デジタルトランスフォーメーションの時代を踏まえた先取りの取組みです。非接触でスピーディな買物環境を実現し、地域の中での郵便局の親しみやすさを高めていきたい」と話しておりました。
▼直ぐにこの技術をSM店舗
で活用するにはコスト面など解決しなくてはならない問題も多いと思われます。ただ、ここ数年、飽和しているとも言われるコンビニの新しい業態として、あるいは他業態のサテライト店舗としての可能性を考えると、SMへの影響も皆無とは言えないと思いました。
(2021・11・22)
