2020年に実施された「国勢調査」の確定値を総務省が11月30日に公表しました。「生産年齢人口(15~64歳)」が7508万7865人となり、前回調査から226万6232人減ったことになります。ピークは、8716万4721人(1995年)でしたので、その時より1207万人(率で13.9%減)減ったのです。
▼総人口は1億2614万6099人で5年前の国勢調査時から94万8646人減りました。総人口の減少は2調査連続となったのです。昨日も、この欄で書きましたが、少子高齢化についても、より鮮明になりました。65歳以上人口は5年前の前回調査に比べ6.6%増の3602万6632人で過去最多、14歳以下の人口は5.8%減で1503万1602人と過去最少だったのです。しかも、高齢化率も28.6%で過去最高を更新しました。
▼特に、「生産年齢人口」は、経済活動の主な担い手となる世代ですから、この減少は日本経済の足かせとなります。現在の生産年齢人口は46年前の1975年を下回っているのです。総人口に占める割合も59.5%と70年ぶりに6割の大台を割り込みました。
▼2020年の就業者数は6676万人(労働力調査)で10年前より6.0%増えています。女性や高齢者の就労で人口減を補っているのですが、限界があります。このような時代の成長は一人ひとりの能力を高め、規制緩和にも取り組んで生産性をどう押し上げるかにかかっているはずです。
▼日本の生産性は、20年の時点で1時間あたりに生み出す付加価値が48.1ドルと主要7カ国(G7)で最も低く、経済協力開発機構(OECD)各国平均の54.0ドルをも下回っています。AI(人工知能)など先端技術の活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて生産性を上げなければ根本的な成長につながらないものと認識する必要がありそうです。海外の小売業では、徹底した自動化で人手に頼らないオペレーションへの転換が進み、Walmartはロボットを活用した物流設備や無人トラックによる配送などを始めました。
コンビニエンスストア業界は無人店舗で酒やたばこの販売を円滑にできるよう規制緩和を求めております。業界としての生残り策を明確にする必要がありそうです。
(2021・12・09)