勝ち抜くためのキーワードは、「独自性」です。そして、具体化し実現するのは次の項目だと考えています。それは、① 新鮮なものを適正な値段で売る、② この店で買えば安心という信頼感、③ そこでしか手に入らないものを提供する、④「作り手」や「市場・卸」との長期的な関係づくり、⑤ お客様との親密な距離感、⑥ 地域コミュニティへの貢献、⑦ 仕事のやりがいで社員を育てることです。
久しくこの事を伝えて来ました。店舗(企業)視察の物差しとして使っております。
▼ここでの⑥ 地域コミュニティへの貢献について、修了生の企業例を報告させて頂きます。
単なるモノを売ることからコミュニティの核としての役割を果たしている企業として岡山県、鳥取県、島根県を中心に展開している(株)マルイ(代表取締役 松田欣也社長)があります。「地域になくてはならないスーパーマーケッ卜」を目指し、売上高や店舗数を競うのではなく、人が集い、語らい、笑顔 があふれる活気ある店づくりに取り組んでいます。
▼情報発信サイト「マル活」では、取り扱い商品の紹介に加えて、生産者へのインタビューや従業員によるレシピ紹介、余った調味料の使い方の提案など、さまざまな内容がテーマごとに掲載されています。「地域の食卓を豊かに、楽しく」では、親子参カ理の料理教室や、地域の食材を使った商品開発を地元短大の栄養学科の学生と共同で進めるなどを行っております。毎月19日を「マルイの食育の日」とし、店舗内で旬の食材を使用した料理やアレンジメニューを提案、他にも、食育をテーマとした絵画コンクールや、高校生との地産地消レシピの開発、食とエコの体験キャンプ、従業員による米農家での田植え•稲刈りのお手伝いなどの取り組みをWeb上のnoteにて発信しています。パブリシティとしてマスコミでの紹介も増えており、知名度の向上や来店機会の増加にも結び付いていると思われます。
▼コロナ禍で人との接触を避けるようになり、コミュニケーションが希薄になっています。店舗がコミユニケーションの核となるには何が必要になるのか、リアル店舗の生き残りを考える上でも大切です。YouTubeやLINE などのSNSプロモーションを駆使しながら、双方向コミュニケーションの充実を図る取り組みは、今後は増えていくことでしょう。来店への動機付けをどのように高めていくか重要なポイントになりそうです。
(2021・12・17)