若者の未来の「可能性」を信じる「ダレか(達)」の役割

昨日は、就業を望んでいる学生の負の面を際立てるような書き方をしてしまいました。実際には、最初は職に就くための行動、職を得るための行動だったものが、特定企業の特定職種に定着し、「やる気」を持つようになる人が多いはずです。ただ、それには何らかの切っ掛けが必要のようです。そして、それは、業界の、企業の「ダレか(特定の人物)に出合った事」が切っ掛けになる事が多いのです。商業哲学や小売業の精神など、聞かされれば聞かされるほど嫌気がさし、辞める機会を考えていた若者が、徹夜も厭わないで仕事をするようになる切っ掛けは、明らかに、ある企業のダレかに出会い、その人の影響を受けるからです。

▼何も出来ていない、出来る能力が在るか無いかもわからない自分に対する、未来の「可能性」を頑なに信じてくれる「ダレか(達)」の影響が大きいのです。戦後創業の小売業の創業者は、その根底に「人々の暮らしをより豊かなものにしたい」という強い思いがありました。利益を出し株主受けするビジネスモデルを模索するより、理念を実現しようと尽くし流通革命など独特の経営理念があったのです。これらの多くのダレかに出会うことで企業も個人も成長して来たのです。成長とは、正しい理念のもとに努力した結果生まれるものです。

▼自分の「未来の可能性」を信じてくれるダレかが大事なのは、自分には未だ能力も技術も充分には備わってはいないからです。勿論、ダレかが出来るのは、あくまで「その気」にさせることまでです。現実のキビしいシステムにマッチした能力や技術を身につけることが出来るかどうかは、その後の自分次第なのは言うまでもありません。つまり、重要な事は、今いま持っている技術や能力ではなく、そのような能力や技術を身につける気、「その気」に成れるか否かの方のはずです。

▼人々が「その気」になり、これが自分の仕事だと覚悟するようになるのは、「評価の甘い」組織やシステムを提示された時であるはずがありません。従って所属する「単位組織」の自主性を重んじ、その能力技術を重視していく経営、ある意味ではきわめてキビしい評価システムで展開していく必要があるはずです。「日本社会はオペレーターとリーダーの区別がついていない」と言われています。リーダー育成のためにも「ダレか」になって就職希望者との出会いの場をもっともっと創出して欲しいものです。

(2021・12・22)