求められる「価値判断能力」「論理的思考で意思決定する能力」

今年の新成人は、120万人(推計)となり、前年に比べ4万人の減少となった。内訳は男性61万人、女性59万人で、男性は女性より2万人多い。これまでで過去最低値だったのは、2014年と16年の121万人よりも1万人少ない。新成人の総人口に占める割合も0.96%となり、1%未満が12年間連続している。

▼厚生労働省が発表している人口動態統計月報年計(概数)によると、2020年の出生数は前年(2019年)より2万4,407人少ない84万832人で、1899年の調査開始以来もっとも少ない人数であった。今年の成人者の7割になってしまうのだ。これまでも労働市場への新規参入者は減り続けているが、驚くほどの減少が待っていることになる。このことが、日経新聞(1月28日付)の経済コラム『大機小機』に、「人減る日本、活路に2つの難題」と題して掲載されていた。「この課題解決の活路は、生産性引き上げしかない」というものだ。

▼しかし、「生産性を引上げることが日本には難題である。理由は2つあり、ひとつは『労働市場の硬直性』で、もうひとつが『日本の教育の問題』である」とコラムニストは述べている。経済の変動期に労働力が衰退部門から成長部門へ移動することによって経済全体の生産性が上がる。残念ながら日本ではこのメカニズムが働きにくいとよく言われている。そして、コラムニストは、かつてノーベル経済学賞候補と言われた故・森嶋通夫教授(大阪大学、ロンドン大学)の著書を引用し、日本の戦後の学校教育は知識偏重で「価値判断を行う能力」「論理的思考で意思決定する能力」の涵養(かんよう)をおろそかにしていると言っている。

▼コーネル大学のフッカー教授が10月のDVD講義で話されていたが、米国が大離職時代を迎えているとのことであった。昨年11月の自発的離職者がこの20年間で最大を記録したという。しかも自発的離職者の賃金が離職しなかった人々より大きく上昇しているというのだ。

私たちは、日本の流通小売業界をもっともっと魅力的にすることが必要なのだ。SM(スーパーマーケット)業界周辺だけでも労働市場を柔軟にしたいものだ。幸いなことにSMの売場は真剣勝負の毎日だ。この真剣勝負に打ち勝つための「価値判断能力」「論理的思考で意思決定する能力」をコーネル大学RMPジャパンのプログラムを通じて高める努力を重ねたいものだ。野球少年が大谷に憧れるように、生活産業で力を発揮したい人達が憧れるカリスマ(経営者)を輩出するために。

(2022・01・31)