店舗出荷型ネットスーパーモデルの構築を・・・

ネットスーパーの競争状況で言えば、これまでには無かった新規事業者の動きもある。コロナ禍で参入が増えたフードデリバリー事業者が、食品小売業と提携して店頭商品(食材)を極めて短時間で届けるサービスを展開している。また、ダークストアを自前で設けて、1~2㎞の小商圏を対象に届けるモデルも増えてきている。前者が「Uber Eats」、「Wolt」などで、後者が「pandamart」、「OniGO」などの事業者が代表である。

▼これらの事業は、小商圏型ビジネスで地域や利用者が限定されるうえ、参入事業者も乱立気味でどこまで定着するかは不透明だ。SM(スーパーマーケット)が競争相手とする必要はないだろうが、少なからずの影響は考慮しておく必要がある。というのは、外部環境が変化する中、SM各社が基本的に考えておく必要があるのは、食品の買物においてさえも、未だ割合が低いと言ってもEC化は進むはずで、実店舗優位性を今迄と同じ位に保つことは難しいと思えるからだ。SM各社は、出店計画をはじめとした成長戦略、物流戦略を構築する際、自社にとってのネットスーパーの位置づけを明確にした上で策定する必要がある。

▼過去の失敗経験から言えることは、既存客に的を絞り店舗出荷型ネットスーパー<小商圏・低単価・高密度>モデルを構築する事だ。展開する際に押さえるべきポイントがいくつかある。まずは、配送密度を高めるために、実店舗の商圏より内側にネットスーパーの商圏を設定して集中的に会員の獲得を図る事だ。そして、品目数を拡大して利用頻度を高めることが大事になる。利益率の高い商品で稼ぐ発想も重要だ。飲料や米など重量物は、店舗側にとっては価格訴求が必要な商品群で、利益も薄くなる。対して生鮮や総菜などは、鮮度の目利きや味によって付加価値をプラスできる。成功のポイントは、配送1回当たり単価(売上高・荒利高)の確保になるので、これをどう確保するかに注力したい。また、配送料・サービス料をしっかり確保することも重要だ。コロナ禍で配送料への抵抗感は以前よりも薄れているはずなので、有料化を推進したい。さらに受注から始まる各システムは、実績あるプラットフォームを活用する事だ。時間もコストも軽減できる。ラストマイル配送も、先ずは自社で自転車や軽自動車での配達から始め、配送密度が高まってきたら、高まったエリアから外部業者を手配する位の気持ちで進めるのが良いと思う。

▼今後SMは、実店舗とネットスーパーで売上を相互補完するハイブリッド型になってくるのではないだろうか。店舗とネットスーパーの両方を使う顧客は、従来の顧客以上に売上貢献してくれるという調査データもある。その為には、足元で一番大事にしなくてはならないのは、配送担当者のモチベーション維持と店舗従業員の理解を高めることになって来る。ネットスーパー成功の鍵は、経営陣の姿勢(意気込み)にあるのかも知れない。

(2022・02・11)