遅くなってしまったが、1月度の小売業界の動向を見ておきたい。正月商戦は初売りなど好調に推移した。3連休まではオミクロン型の影響は小さかったのだが、感染者の急拡大で後半に悪化した。正月商戦の帰省需要は大都市では不調、地方でプラス要因として働いた。
全体として百貨店が改善し、総合スーパーとコンビニエンスストアが小幅改善、SM(スーパーマーケット)が横ばいというところか。専門店は衣料品、ドラッグストア、家電が改善し、ホームセンターの苦戦が続いている。
▼食品は前年の巣ごもり需要の反動で小幅の悪化がみられたが、前々年比でみるとどの業態も堅調に推移をしている。外食は既存店売上高で前年比プラスの企業が多い。前年の緊急事態宣言発令の影響で落ち込んだことの反動であった。前々年比では苦戦している企業が多い。ただ、ファストフードは、プラス幅が拡大しており、テイクアウト需要は底堅いと見える。
▼今後、個人消費は、オミクロン株の感染急拡大の影響を受けそうだ。第6波が 2 月末までに概ね収束すればと考えていたが、3月に入って新規感染者数は高止まりの傾向。東京では、ここ数日は前週の同じ曜日を上回る感染者数が出ている状況は心配だ。コロナ以外には、コストプッシュインフレの進行。ガソリン、食品などの値上げが本格化の様子だ。特にロシアのウクライナへ侵攻は、これらに拍車を掛けるであろう。個人消費にまで影響が及びそうな気配である。
▼数値の羅列になるが、SM業界、1月度の個の企業の業績は次の通りである。
◎アークス:既存店▲1.7%(客数▲1.5%・客単価▲0.2%)、全店▲1.7% ◎アクシアルリテイリング:既存店▲0.6%(客数1.7%・客単価▲2.3%)、全店0.9% ◎いなげや:既存店▲3.7%(客数▲1.8%・客単価▲1.9%)、全店▲3.4% ◎オークワ:既存店 ▲1.8%(客数▲3.0%・客単価1.2%)、全店▲4.0% ◎サンエー:既存店1.5%、全店1.5% ◎ダイイチ:既存店1.1%、全店5.0% ◎バローHD:既存店0.5%(客数▲1.0%・客単価1.6%)、全店1.6% ◎ハローズ:既存店3.1%(客数2.1%・客単価0.9%)、全店10.4% ◎ベルク:既存店▲0.2%(客数1.1%・客単価▲1.3%)、全店2.4% ◎マックスバリュ東海:既存店▲2.0%(客数▲1.9%・客単価0.0%)、全店▲0.9% ◎マックスバリュ西日本:既存店▲1.8%(客数▲1.8%・客単価1.0%)、全店104.4% ◎ヤオコー:既存店▲0.7%(客数▲1.1%・客単価0.3%)、全店5.4% ◎ヤマザワ:既存店0.2%(客数▲1.2%・客単価1.7%)、全店1.4% ◎ユニバース:既存店 ▲ 2.1%、全店 ▲2.4% ◎U.S.M.H:既存店▲3.5%、全店▲3.3% ・マルエツ:既存店▲4.0%(客数▲1.7%・客単価▲2.3%)、全店▲3.1% ・カスミ:既存店▲2.6%、全店▲3.1% ・マックスバリュ関東:既存店▲6.1%、全店▲6.8% ◎ヨークベニマル:既存店▲0.2%(客数▲1.5%・客単価1.2%)、全店0.4% ◎ライフコーポレーション:既存店▲3.6%(客数▲3.3%・客単価▲0.3%)、全店▲1.5% ◎リテールパートナーズ:既存店▲3.1%(客数▲1.9%・客単価▲1.2%)、全店▲0.5%
(2022・03・02)