ショツパブルコンテンツの活用が始まったアルバートソンズ!

米国情報になるが、Z世代やミレニアム世代はレシピを読みながら、必要な食材をメモして買い物するという行動は取らないらしい。レシピ動画も「食べてみたい」「作ってみたい」と思ったら即断・即決・即購入となる。従って動画内から買い物ができるショッパブルコンテンツは大手チェーンストアにとって必須となって来ているようだ。米国第2位のスーパーマーケットのアルバートソンズ(Albertsons)は昨年の9月、ストリーミングコンテンツを作成するファイアワーク(Firework)社と提携している。

▼ファイアワークにアップロードされたショート動画等からAlbertsonsの購入ページにシームレスに誘導することが可能となる他、利用者が動画内にあるリンクをワンタップすることで視聴中でも簡単に注文できる。最初はレシピや料理を中心としてアーカイブされたコンテンツを利用するが、ゆくゆくは店頭の紹介やライブストリ—ミングも開始するとしている。インフルエンサーが料理レシピ動画をアップロードした際、必要となる食材を少ない手間で、Albertsonsで一括購入できるようになるのだ。またライブストリーミング直前に必要な食材や調味料をAlbertsonsのネットスーパーを介して宅配させることも可能となる。ライブ配信中、インフルエンサーと一緒にリアルタイムで同じ料理を調理できるのだ。

▼大手小売業によるショッパブル・コンテンツの事例ではWalmartが有名だ。動画を視聴しながら動画内に埋め込まれたリンクをタップすることで簡単に購入できるのだ。これと似たことをAlbertsonsはFireworkの縦型動画でも実現することになる。

新型コロナウイルス感染拡大前、Albertsonsはネットスーパーが売上全体の10%になるとの予測だったが、現在は売上の20%がネットスーパー経由になるとの見方だ。ネットスーパーで売場がスキップされるように、ネットでレシピ動画を上げているだけでは不十分でショッパブルコンテンツでシームレスに提供する時代になると予測しているのであろう。

▼ただコンテンツを見せるのみの広告ツールから、ECに連動させる販売ツールとしての活用が進み始めている点を確認しておきたい。ショツパブル・コンテンツである。

米国の調査企業の予測では、ライブストリーミング・コマ—スのグローバル市場規模は、2020年の60億ドルから、21年の110億ドル、そして今年は250億ドルに達するとされ急成長している。新たな販売ツールとして、米国ではストリーミングは無視できない存在になっているようだ。

(2022・03・06)