ダイエー(東京都)が、4月1日に『ダイエー豊洲店』(東京都江東区)を開店させた。ダイエーというバナー(店舗ブランド)としては約4年半ぶりの出店となるとのことだ。昨年、関東圏には、「イオンフードスタイル稲城長沼店」(東京都稲城市)、「イオンフードスタイル日野駅前店」(東京都日野市)を2か月続けてオープンしたが、いずれも「イオンフードスタイル」での出店であった。早速、足を運んでみた。
▼「ダイエー豊洲店」は、東京メトロ有楽町線、ゆりかもめ「豊洲」駅から徒歩5分の場所にある。関東圏では79店舗目、全国では203店舗目とのこと。ダイエーは、都市型立地の約300坪タイプと、商業施設内に出店する約600坪タイプの2つのフォーマットを展開しているが、ここは、約299坪での出店である。広報によると、半径1km圏内には、5万2000人/2万2000世帯が居住し、30~40代が多く、かつ子育て世帯も多い。人口の密集度、そして将来性も含め、極めて豊かな商圏で、再開発が進みタワーマンションが建ち並ぶエリアでもある。ダイエー豊洲店も48階建て、総戸数約1200戸の新築タワーマンションの敷地内に出店したもの。同マンションの平均価格は約8700万円ですでに完売、3月から入居がスタートしているという。
▼ダイエーは、「おいしく食べて“ココロとカラダ”健康に」をコンセプトとする店づくりを推進しており、この店も都心に在住する感度の高い消費者をねらった品揃えが展開されていた。青果では、健康志向の強い消費者を想定してオーガニック野菜、工場野菜を充実させている。青果以外でも、味付け肉やレンジアップ商材など簡便を切り口とした商品を揃え、冷凍食品の強化、惣菜売場も広く、発芽玄米入りおにぎりや十六穀ご飯を使用した弁当、大豆ミートなどの植物由来の食品、低糖質パンを販売するインストアベーカリーなど、「健康」テーマの商品が目立つ。環境に配慮した商品提案にも力を注いでいた。「串の無い焼鳥」を販売してるが、串を刺さないことでゴミ削減を目指すもので、取組の一例になる。
▼さらに、5月から食品廃棄物の削減をめざし、家庭内で残っている未開封かつ賞味期限内の加工食品を店頭で集め、フードバンク団体に寄付する「フードドライブ」にも取り組むとしている。デジタルの導入により便利な売場づくりにも注力しており、「ESL(Electronic Shelf Label)」や「レジゴー」、「セミセルフレジ」も導入されている。ワイン売場のESLにある二次元コードにスマートフォンをかざすと、産地や味などの商品情報を見ることが出来る。営業時間は、7時~24時までで年商目標は、約14億円という。最新の店づくりの動向に注目したい。
(2022・04・07)