注目される各社の「ヘルスサポートコーナー」・・・

話題の店舗、カスミのBLANDE業態の1号店「BLANDEつくば並木店」では、ウエルシア薬局を中央部に配置し、カスミの売場で囲むようにして一体感を出している。売場面積2353㎡のうち、ウエルシアの売場は495㎡で、一般用医薬品、コスメ・化粧品、オーラル、ペット用品などを販売するほか、処方せん薬局も設置する。会計は医薬品を除いてカスミの集中レジで行っている。

▼これまで、カスミの日用雑貨売場で、ウエルシア薬局の商品を扱う実験を続けてきたが、売上高が約50%も伸びるという効果があったと聞く。そこで、「食」と「健康」の両軸の専門性を高める新フォーマットの構築を図ったものと思われる。注目は、ウエルシア薬局に配置した「ヘルスサポートコーナー」だ。会員制プログラム「ブランデ・プライム」のゴールド、シルバー会員は、カスミ所属の管理栄養士による健康相談を受けられるものだ。

▼「食」と「健康」で消費者に寄り添うと言えば、サミットの「健康コミュニティコーナー(けんコミ)」も注目されている。親会社の住友商事と、ドラッグストアのトモズと組んで、サミットの一部店舗で展開しているもの。これには、卸3社(国分グループ本社、東邦ホールディングス、大木ヘルスケアホールディングス)間の提携プロジェクト「サンフラワープロジェクト」も加わっての共同事業になっている。昨年3月に改装店である「鳩ヶ谷駅前店」に設置された後、「王子店」、「亀有駅北店」と続けて設置されている。新店の亀有駅北店を見たが、7坪程度のコーナーにカウンターと健康測定器8台が設置されている。セルフチェック方式で、血圧、体組成、糖化度、血管年齢、ヘモグロビン、骨健康、野菜不足、肌年齢をそれぞれ30秒以内に測定できる器具が置かれていた。

▼ここには、トモズの管理栄養士2人が常駐して健康に関するアドバイスをする。アドバイスの過程で、提案した食事メニューが気に入れば、サミットの案内係に連絡し売場まで案内するケースもあるという。また、測定結果は、レシートのような形で出て来るのだが、配布される「測定シート」に張って推移も確認できる。そして、ボードには、野菜を多く摂れているお客の順位が張り出されていた。新しい形の「コミュニティ」の場になっているようだ。

健康志向の高まりと、カスミ、サミットのSM、ドラッグストアの人材を活かした新たな取り組み、きっと全国にはたくさんのこのような取組みがあるのだろうが、今後の小売業にとっても、重要なモデルケースと言えそうだ。

(2022・04・21)