Amazonは、「Amazon Go」の郊外型店を開店した。住宅街近くに出店することでレジなし店舗は新たな顧客を開拓することになる。Amazon Goの自動決済システム「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」は、レジでの精算なしで商品を買うことができる革新的な店舗である事は承知の通りであるが、これまでは、都心部での展開に限られていた。
▼ワシントン州シアトルから北に22マイルのところにあるミルクリーク地区とある。シアトル市内から車で30分程度の距離で、コミュニティショッピングセンター(13209 39th Ave SE, Mill Creek, WA 98012)の一画にあるとの情報である。この郊外型店は、6,150平方フィート(約170坪)もあり、これまで最も広い店舗の約3倍となっている。
店舗前には駐車場があり、飲食に注力している。オープンキッチンの「メイド・ツー・オーダー・キッチン(Made-To-Order Kitchen)」は、注文に応じてサンドイッチなどのメニューをその場で調理する。広いテーブルにUSBポートなどのワークスペースの導入、カスタマーサービスにボピス用のピックアップに返品用のカウンターもある。営業は週7日で午前6時~午後10時まで。週末は定休日とし、夕方6時前後に閉店するこれまでの店舗に比べ、最も営業時間が長いのも郊外型店の特徴のようだ。
▼オープンキッチンメニューは、「朝食サンドイッチ&ブリトー」「ホットエッグボウル」「アボガド・トースト」「サンドイッチ&ラップ」「ホットサンド」「サラダボウル」「キッズメニュー」の7カテゴリーで29種類が用意されている。ホットエッグボウルなどオムレツに近い卵料理もあり、厨房でシェフが調理するのだ。飲食メニューの注文は2台の注文端末から行う。飲み物はスターバックス・コーヒーをセルフサービスで揃えている。品揃えは通常のアマゾンゴーにある寿司やサンドイッチ等や飲み物に加え、大量パッケージ商品やペット関連などを揃え。郊外型店舗らしくエンジンオイル等も販売している。
▼Amazon Go現在、シカゴに5店舗、ニューヨークに9店舗、サンフランシスコに4店舗、シアトルに7店舗展開しており、ミルクリーク店を含めて全26店舗となっている(ニューヨークとシアトルでは、それぞれ1店舗が臨時休業となっている)。広報によれば数ヶ月以内に、ロサンゼルスにも同様な店舗を出店する予定とのこと。昨年11月、ニューヨーク・マンハッタンにスターバックスと提携した「スターバックス・ピックアップ・ウィズ・アマゾンゴー(Starbuck Pickup with Amazon Go)」をオープンしている。Just Walk Outの実験を含んでいるのだろうが、どこまで進化させるのか楽しみである。
(2022・04・30)