チェーンストの成長理論は・・・

米国スーパーマーケット業界2位のAlbertsons(アルバートソンズ)は、2030年までに食品ロス50%削減を目指し、エーフレッシュ・テクノロジーズ(Afresh Technologies)が提供するAIを活用した生鮮食品の需要予測システムを導入すると発表している。顧客の需要、過去の販売データなど、さまざまな情報を利用することで、野菜や果物の発注数を適切に決定することができるようになるという。食料品に求める鮮度の要求水準は、予想以上に高いことに対応するためとされている。

▼このAlbertsonsは22年2月期の売上高718.9億ドル(前年比3.2%増)、純利益16.2億ドルで前年の8.5億ドルの約2倍となっている。既存店売上高昨年比は0.1%減であったが、前の年はコロナ禍の影響で既存店昨年比16.9%増の反動がでたことになる。

ネットスーパーは5%増の売上であったが、前年が263%増であったので成長鈍化が見られる。設備投資額は16.2億ドルで、店舗関連(10店舗の新規出店、236店舗の改装)とマイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)の新設も含まれている。

▼興味深いのは店舗数だ。しかも、少し長いスパンでみると大幅に店舗数を減らしているのだ。2015年には2,382店あった。22年2月期では34州に2,276店となり前年から1店舗減少した。この7年間に106店舗減少させているのだ。

店舗数の動向で見ると、Walmartも、ウォルマートUSの店舗数は3年連続して減少している。60年に及ぶ歴史の中で、店舗数が減少したことはなく、しかも連続して減少したことはなかった。それでも、既存店売上高昨年比は毎年成長している。

Targetは毎年、店舗数は拡大しているが、顕著に店舗数を増やしているのは小型フォーマットばかりとなる。売場面積を増やすことよりピックアップ拠点を増やしているのだ。

家電量販店チェーンのベストバイは3年間で112店舗減少しているが、既存店売上高は毎年伸ばしている。

スーパーマーケット最大手チェーンのクローガーも5年連続して店舗数を減らしている。直近の22年1月期では2,726店舗だった。(2016年2,796店)

▼チェーンストア理論では、店舗数を増やすことで成長するといい「店舗数を100店、200店、1,000店と増やすことで、お客が求めている品質や機能、安さを実現できる」と考えられた。しかし、流通先進国のアメリカでこれはもう通用しない段階に入っているようだ。日本では、未だその規模に達していないということなのか、それとも取り巻く環境が変化しているので、方針を変えるべきなのか悩むところである。

(2022・05・16)