『スーパーマーケット4.0』を体現する店の成功を確信する・・・

ライフコーポレーション(ライフ)の挑戦的な店舗が開店して1ヶ月が経つ。「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」で4月15日の開店だ。5月15日(日)には、TBSテレビのバラエティ番組『坂上指原つぶれない店』で特集され、丁寧な開店コンセプトがあり興味深く見ることができた。この場所は、1994年に開業の複合施設「恵比寿ガーデンプレイス」の地下2階にあり、昨年2月に閉店した「三越恵比寿店」の跡地への出店である。今年の秋には商業棟を「センタープラザ」としてリニューアルオープンするもので、食品・生活雑貨フロアである地下2階が先行する形で、「明治屋ストアー」等と共に開業した。

▼この店の商圏(半径約4.5km)には、ライフの「中目黒店」「渋谷東店」「東五反田店」「ムスブ田町店」など7店舗があり、その店舗で1日当たり平均約3万人、年間で延べ1000万人の来店、年商は約200億円に上るという。首都圏エリアの中でも有数のドミナントエリアの深耕を目指しての出店のようだ。これまで既存店で培ってきた首都圏のお客さまの購買データを最大限活用し、商圏のお客さまに支持される品揃えと売場づくりに挑んだものである。業界誌の中で「社運をかけるというくらいの気持ちで臨んだ」と岩崎高治社長は話している。

▼岩崎社長は「『スーパーマーケット4.0』を体現する店」と位置づける。スーパーマーケット1.0を1950年代に日本の食品小売業の創設者たちがセルフサービス方式を構築したフェーズ、同2.0を2000年代から始まったネットスーパー、同3.0を2010年代のオーガニック商品の拡大フェーズとしている。同4.0は、これらのすべての要素を掛け合わせて、テクノロジーの力でシームレスにつながる店舗にすると説明している。事実、自社直営と、アマゾンジャパンとの協同によるネットスーパーを展開し、オーガニック商品のPBである「ビオラル」も投入している。

▼“新しいスーパーマーケット”をつくるため、① 顧客層を広げ、② 商圏を広げるための施策満載の店舗だ。先ずは、所得が高い層に対応した商品政策が目立っている。商品の価格帯を、通常は、「松・竹・梅」で表現するが、「松」よりさらに上の「寿」に値する商品を品揃えしている。全体の約2~3割はハイエンドの商品となっているようだ。そして、「日々のお買い物を、便利から、楽しいへ」をコンセプトに展開する「セントラルスクエア」業態で出店して商圏の拡大につなげている。既存の「セントラルスクエア西宮原店」では、半径約10km圏内まで商圏が広がっているという。また「恵比寿ガーデンプレイス」は、東京23区内では最大級である463台の駐車場を有する施設でもある。そして、年商目標を「開業2年目に42億円」を掲げている。

「スーパーマーケット4.0」という大きな取り組みの大成功を願い、売場の変化を追いかけたい。

(2022・05・18)