尖った「食のトレンド」把握を・・・

コーネル大学RMPジャパンの修了生を多数出している国分グループ本社の2021年度の経営成績は、連結売上高1兆8814億円(前年比1.8%増)、営業利益114億円(同42%増)、経常利益139億円(同36.1%増)、当期利益65億円(同13.5%増)と増収、大幅増益であった。経常利益は12年ぶりに過去最高を更新した。「強い国分」が戻って来た素晴らしい成績である。

▼21年度からの第11次長期経営計画の中で、各エリアでの共創圏パートナーとの取り組みを推進し、「モノ売り」と「コト売り」により2輪体制を確立すべく、更なるイノベーションに注力すると公表している。この2つの体制が興味深い。特に「コト売り」を機能提供・共創ビジネスとし、食品流通ソリューションを支える機能、そして目に見えない付加価値を提供すると言っている。「モノ売り」についての情報も尖って面白い。スーパーマーケット・トレードショーでも2020年は「日本酒」に関する情報で埋め尽くされていた。

▼その、スーパーマーケット・トレードショー2022でも「Nextブレークオーディション」として今年のトレンドをパネルにて紹介していた。ここでは、箇条書レベルしか表現できないので、興味深く感じた人は是非、情報入手し売場づくりに活用することをお薦めする。

▼①「ゲーミングアイテム」:ゲーム愛好者をターゲットにしたゲーミング商品が登場、「ワンハンド」、「栄養補給」に注目。②「韓流パン」:チーズダッカルビ、ハットグ、高級かき氷、いちごあめなどに続いて、「マヌルパン」(進化系ガーリックパン)「クァベギ」(揚げたドーナツに砂糖をまぶしたパン)が熱くなるという。③「超越アレンジ」:常識破りのコラボが話題を呼ぶとの見方。④「やさしい包材」:利便性から環境負荷低減への取り組みへ。⑤「サーキュラーフード」:従来は廃棄されていた部分を原材料にして商品化する食のアップサイクルが注目トレンド。⑥「“ちょい”手間」:ひと手間とも言えないくらいの手間をあえてかけ、脱手抜き。⑦「沖縄ブーム」:沖縄フードを集めたフェアは年間通じての人気イベント。復帰50周年も後押しする。⑧「セレンディピティとパーソナライズ」:意外性や偶然性を現す言葉。予想外の発見などで、AIが分析し提案する、パーソナライズの対極になる。⑨「なんでも自販機」。⑩モノからコトまで「クラフト××××」:自分で作る「クラフトドリンク」などが発表されていたトレンドである。

▼コーネル大学RMPジャパンに出講頂いている千田直哉先生が関係する『Diamond chain store on-line』でも「今からでも抑えておきたい、国分グループが提案する2022食の10大トレンドとは・・」のタイトルでピックアップされている。リアル店舗の展開を考えたとき、店頭に変化や楽しさをつくるトレンド把握は、ますます重要なものになるはずだ。

(2022・06・06)