課題の先送りがツケとして・・・

円安が止まらない。13日の外国為替市場で、一時1ドル=135円台前半と20年4カ月ぶりに135円台を付けた。米物価の高止まりを受けてFRBの利上げペースが加速するとの見方からと報じられている、金利差の拡大を見込んだ円売りが激しくなっているようだ。円安・円高の善し悪しを論じても仕方ないことであろうが、対処の方法も実はないらしい。

▼新聞をはじめとするマスコミも、「日本の地位は低下した」との論調で溢れている。しかも、危機感を持って、この日本の地位低下に警鐘を鳴らす人も急減しているようだ。「日本はこの程度の国なのだ」、「日本の常態がこれなのだ」と感じて育った世代が、社会の中心的役割を担う世代となったからであろうか。われわれの世代も、「われわれが生きてきた時代は良かった」と過去の栄光にすがり、懐かしむだけで、だらしないものだ。バブル経済の後始末を誤ってしまったのか「失われた30年」を送ることになってしまった。

▼岸田内閣が、看板政策の「新しい資本主義」を含む「骨太の方針」を発表した。どうも重要な課題に向き合っているようには思えない。日本の課題の1つは人口問題になる。生産年齢人口の減少は前分かっていたのに手が付けられなかった。必要な移民受入れも、正面切った議論は始まってもいない。少子化に対する施策内容もヨーロッパなどと比べ見劣りしたままの状態だ。国防問題は、自国を守るとはどんな事かの議論が必要なはずなのだが、国防費の対GDPの額の大きさに関する話題ばかりが目につく。また、経済政策も抜本的な規制改革が必要で、特に医療、介護、教育や農業といった業界は規制改革で活性化すると思う。既得権益との対峙を乗り越えて、初めて改革は成り立つと思うのだが、既得権益からの反発が少ない事柄のみがすすめられているように思える。

▼参議院選挙が近いせいか、電話アンケートが何本も寄せられる。本当は、安定的な議席を獲得している政党こそ、国民から支持を得ているのだから、国民に受けの悪い、言いにくい重要な課題に取り組めるはずなのだが解決の先送りを続けているだけだ。小選挙区制の導入が、地盤や看板のみで当選する2世議員が増え固定化が進み、リスクをとってでも世の中を変えようという考えは存在しない。しかも、政党の派閥はポストを斡旋するだけで、白熱の議論することも少なくなった。

国民がしっかりするしかないのだろうか。そうなると重要な課題は教育になる。

日本は知識詰め込み型なので、自ら考える力を磨く機会をどれだけつくれるかになる。教育の多様性も準備したいものだ。

コーネル大学RMPジャパンでイサカのキャンパスを訪問するたびに思うのだが、日本ほど大学生が勉強しない国はないと思う。企業にも同じ事が言えるのかも知れないが。

(2022・06・14)