「Uber Eats」と、「OniGO」提携の目的は・・・

フードデリバリーサービスを展開するUber Eatsと、QコマースのOniGOは、22年5月20日より提携を開始した。提携は、① Uber Eatsのアプリ上から、OniGOの商品の購入が可能(生鮮品をはじめ、グロサリーや日用品など、約1600アイテムから選べる)になり、② Uber Eatsの配達員が、OniGOのダークストアまで商品を取りに行き、自宅まで商品の配達を行うという点にある。

▼「Uber Eats Japan」は、国内15万店舗(22年1月)のレストランに、成城石井やマルエツなどのスーパーマーケット、クスリのアオキホールディングスやダイコクドラッグらドラッグストアの商品を届けるデリバリーサービスのプラットフォーマーであることはご存知の通りである。Uber Eatsアプリで食品を買うユーザーは、① 商品を早く欲しい、② さまざまな選択肢から選びたい、③ 特定のブランドの商品が欲しいを望んでいるという。プラットフォーマーとして、OniGOには、ニーズを満たすサービスを展開している企業として期待できる内容なるのであろう。

▼「OniGO」は、昨年8月のサービス開始以降、「10分で生鮮品や日用品を届ける」というコンセプトで事業展開をしてきた。主なユーザー層は「子育て世代」という。リアル店舗で買物をする時間が取れない、ネットスーパーでは商品が届くまで数時間かかってしまうという課題を抱えているユーザーに向けて、「頻度品が、『今すぐ』届く」を訴求してきた。

注文から「10分」で商品を届ける方法は、配達エリアを最大半径2kmの狭域に絞り込むこと。その上、ダークストア型のデリバリー事業を展開しているからにほかならない。現在、東京都内に5店舗のダークストアを有している。ピッキングする専用スタッフが常駐し、1人で1時間に約30件のオーダーに対応できるという効率的なオペレーションを構築できているのだ。Uber Eatsを活用して、ヘビーユーザー以外にも、サービスの利便性を拡大したいのだ。

▼ネットスーパーのポジションを『奪う』ことは考えていないと発表していた。むしろ、ユーザーが求めるシーンの違いによる『すみ分け』をねらっているとのことである。

Uber Eatsは世界各国で事業を展開しているが、特にヨーロッパでは、Qコマースの利用が一般的になっているという。ヨーロッパでは『食品が“すぐに”届く』ことに対する需要がとても高いという。

今回の両社の提携により、日本でもQコマースの市場を拡大できるのか、注目が集まるところだ。

(2022・06・22)