6月も中旬になると、前年を対象にした統計調査発表が次々と続く。昨日(22日)の日経MJは、『第48回飲食業調査』を掲載していた。飲食業2021年度の店舗売上高(回答299社)は、6兆6895億円(前年比1.0%増)で、2年ぶりの増収となっている。上位100社の売上高は、6兆1195億円(同2.2%増)。2桁減となった前年度からは回復したが、19年度比では12.3%減となった。しかし、現状は回復傾向にあり、22年度は12.7%の増収を見込んでいる。
▼コロナ渦の影響は続き、前年度と同様に臨時休業や時短営業が続出した。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令も断続的に実施され、駅前立地など都市部店舗は苦戦を強いられた。特に、パブ・居酒屋などは29.8%減(前年46.6%減)、ファミリーレストランも8.6%減(前年23.5%減)から一段の落ち込みとなった。ただ、外食の機会は増えたので、ファストフード(7.5%増)、回転ずし(6.7%増)は伸びた。業界全体の閉店は3035店で前年に比較すると40.8%も減ったが依然高い水準にある。総店舗数9万2642店(同0.7%減)で2年連続の減少となった。
▼企業別の店舗売上高は日本マクドナルドHD 6520億円(10.7%)、ゼンショーHD 4342億円(5.2%)。コロワイド 2753億円(6.6%)、すかいらーくHD 2568億円(▲8.0%)、Food & LIFE COMPANIES 2132億円(10.7%)、プレナス 1844億円(3.2%)、日本KFCホールディングス 1535億円(6.6%)、くら寿司1315億円(6.8%)、モスフードサービス 1145億円(7.9%)、トリドールHD 1068億円(11.4%)、ドトール・日レスHD 1063億円(14.1%)、吉野家HD 1011億円(1.5%)などである。
▼外食の需要が戻り、客数が回復しているのだが、一方で人手不足がネックになる。この人手不足対策として各社は、セルフオーダー、配膳ロボットなど店舗効率化に向けた投資を進めている。そして、値上げの波が止まらない。この調査では、1年前と比べて「本体価格を引き上げた」と答えた企業が7割に上っている。今期の方針でも73.3%が引き上げると回答している。「食材価格の上昇」(94.7%)、「物流費の上昇」(61.2%)、「人件費の上昇」(59.2%)が主な理由で、値上げ幅は「3~5%未満」が34.9%、5%以上の割合も29.6%あった。
スーパーマーケットなど生鮮品の価格が上がり、自炊に割高感が出ているのも背景にあるのだろうか、外食各社は、値上げによる客離れは起きていないとある。独自性のある商品開発や客単価を向上させる取り組みはますます重要になっているようだ。
スーパーマーケットを店舗見学すると、感覚として客数減を感じるのだが如何なものだろうか?
(2022・06・23)