5月度の小売業の動向は・・・

『小売業界のマンスリー<2022 年6 月号> 』(大和証券発行)が届けられた。5月度の小売業の動向は、新型コロナウイルスの影響が縮小し、人流の回復が進んだ。前年は緊急事態宣言が10都道府県で発令されたので、その影響を受けた業態、店舗は改善が顕著である。一方、スーパーマーケットなどは前年ハードルが高く、悪化しているが19年度比でみると順調である。気温は平年並みであったが寒暖の差が大きかった。3年ぶりの移動制限のないゴールデンウィークとなり、各地の商業施設は賑わった。

▼百貨店などの改善度合いが大きく、富裕層の購買意欲は高い。インバウンド需要も回復傾向にある。コンビニエンスストアは改善傾向が続いている。コロナ渦の影響が縮小に加え、販促の強化が寄与している。ドラッグストアは、4月から悪化の傾向がある。前年の反動により食品や感染対策用品などが弱い。化粧品は外出機会の増加が寄与しているが回復は途上である。調剤は引き続き順調も、薬価改定の影響で伸びが弱い。外食は、昨年の緊急事態宣言発令下の反動に加え、行動制限緩和で人流の回復が確認できている。前年比では大幅プラスの企業も多く、コロナ前を越える水準まで改善している企業もある。テイクアウト需要の強さは継続している。

▼個人消費の回復は緩やかのようだ。食品などの値上げが本格化、エネルギー価格の高騰が続く中にあり、消費の2極化は進むであろう。最大の懸念要因はコストプッシュインフレの進行と言える。コロナ渦の影響が縮小し、インバウンドは受け入れが開始された。どこまで、コロナ渦前まで進むかがポイントになりそうだ。

▼SM業界、5月度の個の企業の業績は次の通り。

◎アークス:既存店▲1.8%(客数▲2.7%・客単価0.9%)、全店▲1.8% ◎アクシアルリテイリング:既存店▲1.1%(客数▲0.2%・客単価▲1.0%)、全店▲0.2% ◎いなげや:既存店▲6.6%(客数▲4.3%・客単価▲2.4%)、全店▲6.1% ◎オークワ:既存店 ▲3.4%(客数▲4.1%・客単価0.7%)、全店▲5.8% ◎オオゼキ:既存店▲6.7%、全店▲7.9% ◎関西フードマーケット:・イズミヤ:既存店▲6.0%、全店▲1.7% ・阪急オアシス:既存店▲9.9%、全店▲8.2% ・関西スーパー:既存店▲3.5%、全店▲3.5% ◎ダイイチ:既存店0.3%、全店4.4% ◎バローHD:既存店▲4.3%(客数▲4.5%・客単価0.2%)、全店▲3.3% ◎ハローズ:既存店▲2.2%(客数▲0.8%・客単価▲1.4%)、全店3.7% ◎ベルク:既存店▲2.6%(客数▲3.3%・客単価0.7%)、全店1.5% ◎マックスバリュ東海:既存店▲2.2%(客数▲1.2%・客単価▲1.0%)、全店▲1.0% ◎マックスバリュ西日本:既存店▲3.9%(客数▲2.7%・客単価▲1.3%)、全店▲2.9% ◎ヤオコー:既存店▲1.9%(客数▲2.0%・客単価0.0%)、全店1.8% ◎ヤマザワ:既存店▲0.4%(客数▲1.5%・客単価0.8%)、全店▲1.7% ◎ユニバース:既存店 0.5%、全店 0.5% ◎U.S.M.H:既存店▲5.8%、全店▲4.6% ・マルエツ:既存店▲8.2%(客数▲3.8%・客単価4.5%)、全店▲6.9% ・カスミ:既存店▲2.6%、全店▲1.0% ・マックスバリュ関東:既存店▲5.7%、全店▲7.8% ◎ヨークベニマル:既存店▲2.6%(客数▲2.8%・客単価0.1%)、全店▲1.4% ◎ライフコーポレーション:既存店▲4.7%(客数▲2.8%・客単価▲1.9%)、全店▲3.2% ◎リテールパートナーズ:既存店▲2.8%(客数▲2.3%・客単価0.4%)、全店▲1.6%

(2022・06・24)