「食の製販一体体制」を確立して・・・

「業務スーパー」が若い客層を捕まえ売上を伸ばしているという。近くの店も大勢のお客さまでいつも混んでいる。この「業務スーパー」をフランチャイズ展開するのは「神戸物産」で、「食の製販一体体制」を掲げる製造小売企業といえる。企業発展の原動力は、強烈なオリジナリティを持ったプライベートブランド商品にあるからだ。

▼神戸物産の21年10月期決算では、売上高3620億6400万円(対前期比6.2%増)、営業利益273億1100万円(同14.5%増)、当期純利益195億9200万円(同30.2%増)であった。既存店の(出荷)実績も対前期比2.4%増になり前年決算を上回る数値となっている。「コロナ禍で内食需要が旺盛だったことと、テレビを中心としたメディア、SNS上で、開発商品が話題を呼ぶなど、店舗の知名度が向上した。特に冷凍の野菜やフルーツ、デザートが好調であった」と広報があった。

▼「業務スーパー」の店舗数は、全国に969店舗。この企業も、今まで経験したことがないサプライチェーンの分断、天候不順などによる原材料価格の高騰には悩まされている。これへの対応であるが、① 仕入れ先の変更が選択肢の一つ。その上で、② 物流にかかるコスト削減に取組む。 また、③ 商品供給能力を増強し、チャンスロスを減らすために「自社の工場の生産能力の増強を上げるための増産投資を行っている最中」という。戦略的にPBを増やす取り組みを進めている。前年度の売上に占めるPB比率は33.12%(対前期比1.46%増)と高い。季節限定商品を含めて約300アイテムを展開し、その数は増え続けている。これを拡充することで、競合との差別化を図り、業務スーパー事業を拡大させていく考えなのだ。

▼PB開発において、最も重視するのは「オンリーワン」であることだとある。競合店には並ばない独自商品を持てば、規模の小さい会社でも価格競争をすることなく戦えるとの考えだ。この戦略実行のため、これまで全国の食品メーカー、工場をM&Aにより次々と傘下に収め、現在は14社25工場ある。

オンリーワン商品を拡大する方針なのだが、全くのオリジナル商品を開発し続けるのは容易ではない。そのため、一般にもある商品を発売する場合は、何らかの業務スーパーらしい特徴を付加するという。他社とひと味違う風味や食感をつける、あるいは原材料や製法を見直してコストを大幅に削減し、徹底した低価格で提供するという事を考えるのだ。これも自社工場を持っているからこそできる取り組みになる。

「牛乳パック デザート」が人気テレビ番組やYouTubeの大食い動画や食べ比べレビュー、SNSの口コミなどもたびたび話題になって来たが、関連会社の牛乳製造ラインをスイーツ商品に応用して大量生産し、製造の効率化とコストダウンを実現、267円(税込)という価格となっている。正にオリジナル商品である。

(2022・07・18)