ヤングシフトに向けてのトライ&エラーを・・・

ドン・キホーテは、特定のカテゴリーに特化した専門店の開発を加速させている。「キラキラドンキ」もそのひとつになるのだろう。先日、江戸川区での予定が急にキャンセルになってしまった。それも約束時間の直前であり、新型コロナウイルスの陽性判明が原因だった。現地近くで時間が空いてしまったので「キラキラドンキ ダイバーシティ東京 プラザ店」まで足を伸ばしてみた。

▼ドン・キホーテは、昨年から「お菓子ドンキ」「お酒ドンキ」を始めとして、「驚辛ドンキ」「コスメドンキ」などの専門店業態を開発している。都心での店舗にとって、話題性は大切な要素なのだろう、約1年の間に、お菓子ドンキは3店舗、コスメドンキは2店舗をオープンしている。この「キラキラドンキ」も同じ業態のひとつになるのであろう。カテゴリーを深掘りした嗜好性の高い店で、正直、男性で年齢を重ねた人間に取っては、店内を一回りするのに気が引け、他人の目を気にしてしまった(笑)。ある種“尖った店”なのだ。

▼スーパーマーケットの足元でも、ヤングシフト(若年市場開拓)が喫緊の課題であるが、ドン・キホーテの来店客には、若い頃からのコアなファンが多いという。「近未来の固定客を今から確保しておくという事からも、若者に支持される店づくりが必要との考えに至った」との記事が、開店した今年5月頃の『Diamond Chain Store』誌に掲載されていたと記憶している。そこには、コンセプトから商品の仕入れ、売場づくりに至るまでZ世代の意見を多分に取り入れていることが最大の特徴とある。店舗名の決定まで若い人達で決めたとあった。実際、店舗見学した感覚だが、約80坪程の専門店であり、コスメ4000アイテム、菓子1500アイテム、加工食品や飲料、雑貨などを含めて6000アイテム程の展開になるのか。

▼ドン・キホーテの公式キャラクター「ドンペン」が前面に打ち出され、多くのぬいぐるみが飾られていた。POPや吊り下げオーナメントもドンペンのデザインを使用。色味やデザインのニュアンスなどはZ世代の好みになるのだろうか、アミューズメント性あふれる演出に溢れ、店内製造のワッフルやオリジナルドリンクも提供している。POPも、イラストや商品を使った率直な感想が書かれており、個性あふれるものがたくさんの商品に付けられていた。世界的な韓国ブームに則り、韓国の菓子も多く取り扱う。チョコチュロス味のスナックや、韓国ドラマ「イカゲーム」で登場した型抜きが楽しめるクッキーなどあり、乾麺や健康酢「美酢」なども大きくコーナー化していた。

“尖った店”づくりが、スーパーマーケットの目的ではないが、若い年齢層の感性に委ねた店舗づくりが、幅広い年代からの支持も受けているように思える店舗でもある。私たちスーパーマーケットもヤングシフト(若年市場開拓)に向けてのトライ&エラーを繰り返して形づくりに挑戦したいものだ。

(2022・08・12)